社会課題を解決するオーガニックの秘密

Eric Larrayadieu/Getty Images

2020年5月、EUはサステナブルな食のシステム構築を目指す「農場から食卓へ戦略(Farm to Fork Strategy、F2F)」を発表した。目標数値は、2030年までに農薬半減、肥料2割削減、抗菌剤半減など、欧州水準でも極めて野心的だ。

その中でも、EU全農地4分の1をオーガニックに転換するという目標は多くの物議を醸し、懐疑的な意見も出ている。2020年8月現在、EUの有機面積は約8%だ。10年後に10%になると予測されていた割合を25%に引き上げるというのだから無理もない。

現場の反応はどうなのか。欧州オーガニックセクターで活躍するキーパーソン3名を取材した。

全農地4分の1のオーガニック化は実現可能か


フィンランド最大の有機農業協会「Luomuliitto」のスザーン・レンネリ会長は、「EU全体で25%は達成可能でしょう。フィンランドの国家目標は年内に議論されることになっています。政府にはEU目標を超える30%達成を目指すよう働きかけていく予定です」と、目標達成に意欲的だ。

一方、リトアニア有機農業協会「LEUA」の副会長を務める有機農家アルマンタス・リオレンタス氏は、「30年までに有機農地25%を達成するのは夢のような話。少なくとも自国リトアニアでは非現実的な数です」と語る。

もう一人、オーガニックセクターの国連とも言われる「IFOAM Organics Europe」で食料政策オフィサーを務めるシルビア・シュミット氏は、「25%というのは、あくまでEU全体で達成すべき平均値であって、各国が目指す目標数値ではありません。すでに25%近い有機割合を誇るオーストリア、エストニア、スウェーデンは、さらに高みの数値を目指し欧州全体を引っ張っていく必要があります」と話す。

現時点では、EU全体の目標達成に貢献する意欲を匂わせる加盟国もあれば消極的な国もあり、各国の姿勢やコミットメント度合いにはばらつきがある。

文=レムケなつこ

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