──結果的に13名のアーティストが参加してくれましたが、選定はどのような観点で行ったのでしょうか。
頭山:本プロジェクトの目的の1つがコロナ禍で制作や展示などに制限を強いられている「アーティストに活躍の場を提供する」ことだったので、普段お世話になっている知人のアーティストを中心に声をかけました。その上で、幅広い層の方に使用していただけるように、バリエーションの豊富さを意識しています。たとえばストリート系デザインが得意なアーティストや、暗めの色を使うアーティストばかりの商品だと、デザインに偏りが生じて単調になるので、画家やフォトグラファーの方をお呼びするなど、とにかく多様性を追究しました。
川村:今回のアーティスト選定は、頭山さんがいたからこそできたことだと思います。アートに詳しい方からは「人選が面白いね」と、別の角度から興味を持ってもらえることもありました。参加してくださったアーティストの方々も、普段とは異なる作品づくりに面白さを感じてくださったようです。
第二弾、第三弾では夏素材のマスクやマスクの関連グッズも
──販売開始から3カ月が経とうとしている今、既に過半数のマスクは売り切れになっていますよね。プロジェクト第一弾を終えた感想はいかがですか?
頭山:実際に商品を購入してくださった方の中には、アーティスト自体がお好きな方もいれば、単純にデザインが気に入ってくださった方もいて、年齢も性別もバラバラでした。狙い通り、幅広い層の方が買ってくださいました。消耗品であるマスクにいかに付加価値をつけられるか、且つ幅広い層の方に買っていただくにはどうするべきかをずっと考えてきたので、今回の結果に安心しました。
また、『The Masks』を購入してくださったお客様が商品着用画像を SNSに投稿してくださっています。マスクに込めた想いの1つである「緊急時だからこそ、身近なものを楽しむ心の余裕を持ってほしい」という願いが達成されているようで、嬉しいです。現在は公式サイトと原宿にあるセレクトショップGR8で販売をしているのですが、ありがたいことに現在は国内外の業者から注文のお問い合わせが来ているので、少しずつ販売の場も広げていければと思っています。
The Masksクリエイティブディレクターの頭山亜季氏
──今後新しい商品を開発する予定はありますか?
川村:実は、4月にプロジェクトの第一弾を計画していた時点で、第二弾、第三弾として新たなアーティストの参加や夏素材のマスクを開発する話が出ていました。
マスクは、特に日本においてはとても日常的な存在。今回のような感染症予防だけではなく、花粉症対策や砂埃対策など、あらゆる用途で用いられます。また、海外でもマスクの着用効果がだんだんと認知されるようになってきている。だからこそ、自分の個性を表現できるポジティブなアイテムとして定着させていきたいと考えていまです。今後もアーティストとコラボしながら、少しでも世の中を明るくするプロジェクトとしてThe Masksを拡大させていきます。
頭山:その中で、現在活躍の場が減っているアーティストの方達に、収益を得られる場をつくっていきたいですね。カルチャーを守るプロジェクトとして、The Masksをプラットフォームにファッション、アート、音楽などのカテゴリーと絡んで、新しいイベントや、企画などを立ち上げていけたらと思っています。
そして今、第2弾を準備中です。第1弾は全て日本のアーティストだったのですが、次は海外のアーティストにもお声がけし、絶賛制作中です。近日中に発表するので、楽しみに待っていてください。