今秋には5G対応Pixelの発売を予告
グーグルはPixel 4aの発表と同日に、2020年後半・秋頃の発売に向けて5G対応のスマートフォンを2機種用意していることを明らかにした。製品の名称は「Pixel 4a 5G」と「Pixel 5」になることも決まっている。最も安価な端末は60500円(499ドル〜)からという価格設定を予定する。
各端末の詳細については現時点でまだ明かされていないが、どちらもグーグル純正のPixelシリーズとして初の5G対応スマホということになる。いま全世界的にモバイル通信ネットワークを次世代の5Gに切り替えを図っている最中だ。しかし一方でコンシューマーが5Gネットワークを使い、高速大容量・低遅延・同時多接続の恩恵を身近に感じられるようになるタイミングはまだ少し先になると見られている。
日本国内でも5G通信が利用できるエリアは2020年時点でまだ限られているが、一方端末メーカーとしてはいち早く5G対応を技術的にクリアできていることを証明する必要がある。それに相応しいタイミングは今だ。アップルも今年の秋に5Gに対応するiPhoneの次世代フラグシップを発売するのではないかと言われている。
グーグルは6万円台からという、恐らくはミドル価格帯に位置付けられる比較的安価なスマホを5G対応の戦略商品として持ってくる。どちらがより多くのコンシューマーに5Gへの興味を喚起することになるのだろうか。
ただ、現実にはコロナ禍のまっただ中にあるいま、スマートフォンは高機能であることも大事だが、何より購入購入や維持費を安く抑えたいという向きも強くなっている。既にいま広範なエリアに品質の安定したネットワークを張り巡らせている4G LTEで、やりたいことは十分にこなせるというユーザーの声に後押しされて、多機能で安価なGoogle Pixel 4aやiPhone SEのようなミドルレンジモデルが5G化の波を直近で強く押し戻す可能性もある。2020年に発売される4Gと5G対応のPixelシリーズによる“駆け引き”の行方にも注目したい。
リアルタイム翻訳に対応するワイヤレスイヤホン
グーグルからPixel 4aの発表と同時に、同社初の左右独立型ワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」が8月20日に発売されることもアナウンスされた。価格は20800円(税込)。
グーグルらしく、音質だけでなく通話性能を高めてリアルタイム翻訳機能などを搭載したワイヤレスイヤホン「Google Pixel Buds」。
ワイヤレスイヤホンといえば、日本でも国内外のオーディオブランドから数多くの製品が発売されている。ところが最近はアップルのAirPodsやマイクロソフトのSurface Earbuds、その他中国のスマートフォンブランドを含むIT通信系のメーカーも新規に参入して力を入れ始めている。
各社製品の特徴は音楽リスニングに限らず、ハンズフリー通話の音声品質を高めたり、スマートフォンとの接続性能の向上にも力をいれていることだ。グーグルのPixel BudsもPixelシリーズのスマートフォンと素早くペアリングできるFast Pairや、独自のAIエンジンによる「リアルタイム翻訳」機能を搭載した。あいにく本稿執筆時点で実機がまだ手元にないため、体験はまたの機会に譲ることにしたい。グーグルやアップルがこれからのワイヤレスイヤホンの進化にどんなインパクトをもたらすのか楽しみだ。