ブルームバーグが伝えたところによると、グーグルはサムスンに対し、グーグルアシスタントやPlay Storeを、サムスンの端末で優先的に表示するよう求めているという。
サムスンのスマートフォンはOSにグーグルのアンドロイドを採用しているが、One UIと呼ばれるカスタマイズ版のスキンを導入し、サムスンが自社で開発した音声アシスタントの「Bixby」や、アプリストアの「Galaxy Store」を提供している。
グーグルはアンドロイド端末メーカー各社に、検索やGmailアプリをプリインストール形式で提供し、広告収入の一部を与えている。それに対し、端末メーカー側はOSの利用料をグーグルに支払っていない。
しかし、サムスンは近年、グーグルアシスタントの競合プロダクトであるBixbyのマーケティングを強化している。アマゾンやグーグルなどのテック業界大手は、デバイスを声でコントロール可能にする音声アシスタントが、次世代のEコマースの玄関口になると考えている。
サムスンは自社の音声アシスタントを普及させようと努力しているものの、目立った成果をあげられていないのが現状だ。一部のユーザーの間では、サムスン端末で他社の音声アシスタントを利用するためのチュートリアル動画も広まっている。
関係者の間では、サムスンが近い将来、ソフトウェア分野での野心的な夢をあきらめ、グーグルに降伏するとの見方が広がっている。厳しい財政状況に直面するサムスンは、グーグルの要請に応じることで、それに見合う対価を得られるはずだ。
サムスンの今年第1四半期のスマホ売上は、前年同期比で20%のマイナスだった。その一方でグーグルは、アップルがiOSのデフォルト検索エンジンに同社のプロダクトを採用する見返りに年間120億ドル(約1兆2600億円)を支払っていた。
サムスンとグーグルの両社は、この件についてのコメントを控えている模様だ。