1. 従来にない認証プログラムの承認
高等教育は誰しもが受けられるものではありません。しかし、質の高いオンライン学習のリソースがあれば、人は特定のデジタルスキルを身に着けることができるようになります。政府は、型にはまらない手法の学習経路を正式に取り入れるチャンスを探るべきです。
データサイエンス・ナイジェリア、ジンディ、ブロックギークスなどのプラットフォームを活用すれば、アフリカのどこにいても実践的な学習が可能です。また、生徒や実務者が求人募集をしている雇用主に対し、スキルや仕事への備えができていることを自己アピールすることもできます。
アフリカ大陸の抱える問題を解決するために活用できるデータは、山ほどあるにも関わらず、データサイエンスや機械学習の学位を提供しているアフリカの高等教育機関はほとんどないという現状を考えると、これらの従来にない認証プログラムの正式導入は、アフリカの各政府にとってさらに喫緊の課題となるでしょう。
アラブ首長国連邦(UAE)には、アフリカ諸国が学ぶべき事例があります。ドバイ未来財団との提携のもと開発されたスマート・シティ・ユニバーシティは、デジタルスキルの開発を支援するブロックチェーンを活用した分散型ラーニングプラットフォームであり、従来の制度を回避することで、UAEにおいてデジタルスキルを持った人材を増やしていくことを目的としています。ここでは、各自が実践的な作業プロジェクト、関連する読み物、会議、デジタル認証を受けた対面またはオンラインでのワークショップなど、個人に合った教育経路を作成することができます。
2. ゲームチェンジャーとなりうる微積分スキルへの投資
大学は、未来の仕事のニーズを満たすのに十分な数のSTEM人材を輩出することができていません。世界におけるSTEM人材の数はかつてないほど増えていますが、まだ欠員となっているSTEM職も多く、大きなギャップが残っています。
ピアソンのAI製品&ソリューショングループを率いるミレナ・マリノバ氏は、STEMパイプラインにおける主なギャップのひとつは、微積分であると指摘しています。
「何千人もの学生たちにとって、微積分はSTEMキャリアの前に立ちはだかる、挫折の障壁です。約3分の1の学生が不合格になるか、挫折しコースをやめてしまいます。国立科学研究所によれば、女性は、能力の問題ではなく、単に自信の欠如が原因で微積分コースをやめてしまう可能性が、男性に比べ1.5倍高い傾向にあるそうです。しかし、STEM分野の職に就くには、少なくとも1学期以上微積分を専攻する必要があるのです」。
—ミレナ・マリノバ、ピアソン
解決策は単純ではありませんが、高度なAIを活用すれば、微積分のような難しい科目を学ぶ方法を変えることができるかもしれません。