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Climate Pledge Arena(C)Amazon.com

米アマゾンがお膝元シアトルで改修中のアリーナの命名権を取得し、「Climate Pledge Arena(気候誓約アリーナ)」と名づけた。2040年までに自社の二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標の一環として、世界初の「CO2排出量ゼロアリーナ」にする。新アリーナではサステナビリティ(持続可能性)に関するデータを計測・公表し、目に見える形でCO2削減の成果を示す考えだ。

「アマゾンにとって気候対策の行動を一段と強化する機会になる」。アマゾンでグローバル・サステナビリティの責任者を務めるカラ・ハーストは、資金を拠出することになった新アリーナをそう位置づける。アリーナはシアトルの地域社会のシンボルであると同時に「サステナビリティについて理解を深め、気候対策で必要とされていることに対処するチャンス」にもなると期待を寄せる。

このアリーナは1962年に建設されたシアトルのランドマークで、一部を残す形で大規模な改修が進められている。2021年夏を見込む完成後はオール電化となり、その電気は配送網経由か、屋根に設置するソーラーパネルの自家発電によって、全量を再生可能エネルギーで賄う予定だ。さらにリサイクルによる「廃棄物ゼロ」を実現するほか、2024年までに使い捨てのプラスチック製袋も全廃する。

新アリーナはプロアイスホッケーやプロバスケットボールなどの会場となる。来場の際にモノレールなど公共交通機関の使用を促すため、北米プロアイスホッケー(NHL)に新規参入する地元シアトルのチームや、女子プロバスケ(WNBA)の「ストーム」のチケットは、無料の公共交通パスとして使えるようにする計画だ。


内部のイメージ(c)Amazon.com

NHLシアトルのジェイソン・F・マクレナンは「重要なのは、このアリーナが世界で最もグリーンな(環境に優しい)だけでなく、1万8000人の観客の心を揺さぶる場にもなることだ」と述べ、環境へ配慮した新しいイベント会場としての意義を強調する。改修後は年200回のイベントが催される見通しだという。

アマゾンにとっては、気候誓約アリーナは自社の広範な目標を目に見える形でシンボル化したものになりそうだ。アマゾンは6月に公表したサステナビリティに関する報告書の中で、事業で使う電力を2025年までに100%再生可能エネルギーにする目標を示している。同社は、温暖化対策の国際ルールであるパリ協定の目標より10年早い2040年までのCO2排出実質ゼロという目標も掲げる。

アマゾンは科学的知見に基づいて排出量を削減する「SBT(Science Based Targets)」イニシアチブに参加している一社でもある。6月には低炭素経済への移行を促進する企業や技術に投資する「気候誓約ファンド(Climate Pledge Fund)」を設立し、20億ドル(約2100億円)のシードマネー(起業初期向けの資金)の運用を始める。

アマゾンのハーストは、新アリーナが地域社会や、同社が大勢の人を巻き込んでいく力に果たす役割に期待を示し、「今後さらに多くのことが起きる」と言い添えた。

編集=江戸伸禎

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