アマゾンの株価は3月上旬、新型コロナウイルスのパンデミックを受けて約15%下落したが、それ以降は急騰に転じている。消費者がリアル店舗を避け、Eコマースに頼る傾向を高める中で、アマゾンの株価は3月12日の最安値から80%以上の上昇となった。
ベゾスが最初に、世界トップの富豪となったのは2017年7月の事だが、その際は決算発表後の株価の下落により、わずか数時間でその地位を追われていた。同じ年の10月に、彼は再び世界一の富豪となり、その地位にとどまった。
2018年10月にフォーブスが公開した米国の富豪リスト「Forbes 400」でベゾスの保有資産は1600億ドルとされ、ビル・ゲイツを超える世界トップの富豪となった。現在のベゾスの保有資産は、ビル・ゲイツ(1104億ドル)を約700億ドル上回っている。
ベゾスは元妻のマッケンジー・ベゾスとの離婚調停を2019年の夏に完了させ、彼が保有するアマゾンの持ち株の4分の1を彼女に譲渡した。マッケンジー・ベゾスの保有資産は現在598億ドルで、世界2位の女性富豪となっている。仮にベゾスが株式を譲渡していなかったとしたら、彼の保有資産は現在、約2400億ドルに達していたことになる。
アマゾンとベゾスは4月以降、倉庫従業員らの安全管理を怠ったとして強い批判を浴びてきた。倉庫従業員らは抗議活動を行ない、テック系の社員らもオンラインでその行動を支持していた。
それ以降、アマゾンは従業員の安全を高める施策を講じ、倉庫従業員らにマスクなどの装備を配布したほか、倉庫内に消毒設備を設置した。その後も従業員の不満は高まっているが、アマゾンの事業は好調で、ベゾスの保有資産は日を追うごとに増大している。