フォックスコンはiPhoneの組み立てを受託する企業として知られるが、近年は事業の多様化に注力している。同社の昨年の売上約1800億ドル(約19.3兆円)の大半が、電子機器の製造受託だった。
台北本拠の調査企業TrendForceは、今年の電子機器やスマートフォンの出荷台数が、2019年から7.8%の減少になると予測している。
今から46年前にビリオネアのテリー・ゴウ(郭台銘)によって設立されたフォックスコンは、中国の工場でiPhoneやiPadなどを製造している。また、Acerやアマゾン、インテル、ファーウェイ、ソニーなどの製造も受託している。
フォックスコンは6月初旬に台湾にリサーチセンターを開設し、約200人のロボットやヘルスケア、EV関連のエンジニアを採用する計画だ。さらに、量子コンピュータ関連への注力も進めているが、詳細は明かされてない。
台北本拠の調査企業Market Intelligenceによると、フォックスコンは3年から7年をかけて、CEOのYoung Liuの指揮下で工場のアップデートを進める計画という。
「フォックスコンは新たなR&Dセンターでテクノロジーの優位性を高め、労働集約的な業態から脱却しようとしている」とMarket Intelligenceの担当者は分析している。
IDCのアナリストのMario Moralesも、フォックスコンが半導体分野の研究を進めていると述べた。フォックスコンはさらに、中国の青島市に新たな製造拠点を設けようとしている。
調査企業Grand View Researchは、世界のAI市場が2025年までに3900億ドル規模に拡大し、年間の成長率は46.2%に達すると述べている。サイバーセキュリティ市場も急拡大が続き、2027年には1565億ドル規模に達すると同社は予測している。
フォックスコンは医療デバイス市場にも進出を果たし、今年に入ってからメドトロニックと提携を結び、病院向けに人工呼吸器を納入している。