働き方革命最前線 ─ポストAI時代のワークスタイル

Jose Luis Pelaez Inc/GettyImages

誰もが今、「この状況はいつまで続くのだろう?」という先の見えない不安を感じているのではないかと思います。それぞれにふりかかった問題を自分で解決せねばならず、結果として、自分を責めてしまうこともあるでしょう。しかし、自分を責め続けるのはとてもストレスフルなことです。

生まれつき楽観的な性格なら、「いまは最悪でも死ぬわけじゃない。落ちる先まで想定しきったら、あとは昇ることだけ考えよう!」と前向きでいられるかもしれません。しかしこれは一部の稀有な人のケースです。最悪の場合を想定すること自体が怖かったり、逆にとらわれてしまったりして、なんとか気を晴らすことで精一杯になるのが普通だと思います。

しかし、この状態が続くと、延々と自分に向け続けてきたエネルギーを、今度は外へ押し出すために、他人を攻撃することでバランスを取ろうとしてしまうことがあります。つまり、「自分がこうなったのはあいつのせいだ」とエネルギーを外へ向けることで、自分を保とうとするのです。例えば身近な家族や同僚など、目につく人にキツくあたってしまう。誰もが不安ななかでは、ある意味仕方ないことなのかもしれませんが、人を傷つければ、やはりまた自分が深く傷ついてしまいます。

では、こんな状況でも人間関係をこじらせずに、むしろ前向きなものに変えていくにはどうしたらいいでしょうか? 僕はこのことを考えるとき、いつもビールメーカー「ハイネケン」のCMを思い出します。

正反対の価値観の相手と打ち解けるCM


ハイネケンは、あらゆる社会バイアスに向けて小さく問題提議をするCMづくりで度々話題になるのですが、僕は2017年に発信された「Worlds Apart:An Experiment(天と地ほどかけ離れている:実験)」というCMがとても好きです。

このCMは実験的なつくりになっていて、まず3組のペアが登場します。ペアはそれぞれ、フェミニストと反フェミニスト、トランスジェンダーとそれを支持しない人、気候変動を否定する人と気候変動に対するアクションが足りてないと主張する人など、相反する主義を持つ者同士で組まれます。



初対面である彼らは、お互いの主義主張を知らないままある場所で出会い、まずイスを作ります。そして、それに腰掛けて、自分の性格を伝えたり、お互いの共通点について話し合います。


文=尾原和啓

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