デザインクオリティーを向上させるための5つのポイント
では、上記のような落とし穴にはまらないためにはどのような方法があるのだろうか? 今回は考えられる5つのポイントにまとめてみた。
納品型プロセスからの脱却
常にバージョンアップが求められる今の時代のデザインプロセスにおいては、受発注、納品のプロセスは全く合っていない。デザイン会社やデザインチームは、他のメンバーと文字通り1つのチームとして動く必要がある。
工数管理主義から抜け出す
一般的なプロマネのプロセスでは、タスクを作りスケジュールを管理する。しかし、デザイナーなどのクリエイティブな仕事は、タスクや工数で換算、管理するのには向いていない。デザインがタスクになった瞬間にモチベーションが下がってしまう。より自由で流動的な仕事の仕方を見つける必要がある。
言葉だけではなく、ビジュアルでやりとりをする
デザインを言葉で伝えるのは非常に難易度が高い。特にUXデザインのフィールドになってくると、何がどうなってこうなります、という言葉の説明では、何がなんだかわからない。btraxでも、最初のディスカッションの時点で、ビジュアルファシリテーションと呼ばれる、ホワイトボードになっている壁に絵を描きながら、言語以上の理解ができるプロセスを採用している。
デザイナーを積極的に意思決定に参加させる
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これまでの問題点の多くが、デザイナーがオーナーシップを持てていないことに原因がある。デザイナーではなく、むしろPMやプロジェクト主任などが決定権を持ちすぎているが故に、いつの間にかデザイナーは彼らに喜んでもらえるような仕事の進め方をしてしまう。最低でもデザイナー自身が決定権を持っていなくとも、意思決定のプロセスに含む必要があるだろう。
経営会議で必ずデザインの話をする
そして、最もおすすめなのが、経営会議で何かしらデザインの話をすることを議題に含む方法。どうしても経営会議の場合、営業戦略や数字的な事柄に終始しがちで、無理やりでもない限り、デザインの話が出てこない。一番良いのが、経営陣にデザイン出身の人がいることであるが、そうでなくても、議題にデザイン的な内容を入れるだけでも、デザインを経営戦略の1つとして認識できるようになると思われる。
デザインの良し悪しはデザイナーの手だけにかかっていると思っては大間違いだ。ここまで述べてきたことは、経営やチームの構造、クライアントを含めたプロジェクトメンバー内でのコミュニケーションなど、プロジェクトに関わる人全員が意識すべきことだ。
(この記事は、btraxのブログfreshtraxから転載したものです)