ビジネス

2020.07.23 18:00

なぜ優秀なデザイナーでも酷いデザインを生み出してしまうのか?


全体のUXよりも見た目のデザインを優先してしまう


UXデザインに取り組むイメージ
Photo by shutterstock.com

これは、昔からの叩き上げや、アーティスト気質のデザイナーが陥りやすいトラップ。本来、プロダクトやサービスにおけるデザインクオリティーを考えた場合、総合的なユーザー体験が最も優先されるべきである。しかし、目先のビジュアルクオリティーにこだわりすぎたがために、利用した際に、使いにくい、心地悪いUXになってしまうこともある。

このポイントにおけるもう1つの弊害は、デザインした内容が技術的に実現不可能であるケース。見た目にこだわりすぎて、実際にどのようなテクノロジーを活用して"動かす"かを見落としているために、総合的なUXが全く実現されなくなる。

典型的な結果例: 全てが画像になっているサイト

長期的なUXゴールよりも短期的な結果を優先してしまう


ビジネス的な結果を重視するのは良いのだが、短期的な結果を求めすぎるが故に、長期的なユーザー体験が犠牲になる。そして、最終的にはブランド価値の低下を招き、顧客離れが起こってしまう。

例えば、短期的な売り上げや問い合わせを増やすことに気が取られすぎると、サイトに余計なポップアップバナーやキャンペーン広告がどんどん表示されたり、連日割引メールが届いたりする。短期の売り上げ目標を達成し、予算獲得をしたいのはわかるが、長期的には絶対的にマイナスなイメージしか残らない。

典型的な結果例: 売り上げ重視が丸見えの使いにくいサイト

組織が分断されている


多くの現代企業における大きな問題の1つが、組織の分断だろう。戦略、マーケティング、企画、エンジニアリングなどそれぞれの役割のチーム間にギャップができてしまうと、ユーザーにとって使いにくいプロダクトや体験が生み出される。優れたデザインを求めるのであれば、相互が重なり合う、"クロスファンクショナル"なチームが理想とされる。

お互いがお互いの領域を理解しながらも、自分たちの専門分野をカバーすることで、一貫したユーザー体験を生み出すことができると考えられている。

典型的な結果例: 一貫性の無い体験、低いユーザビリティー
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文=Brandon K. Hill(CEO of btrax. inc)

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