コロナで課題が浮き彫りに── 「実験思考」は組織をどう変えるのか


──コロナ危機に面した各国トップの対応も、そのリーダーシップのスタイルを浮き彫りにしました。「これから求められるリーダー像」について教えてください。

中竹:今回評価されたリーダーに共通するのは、まず自らの感情をさらけ出し、自分自身を主語にして国民の感情に寄り添った点です。同時にデータを示しながら、可能な対策をロジカルに説明する。右脳と左脳の両方に働きかけるようなコミュニケーションで、国民の理解・共感を集めるリーダーシップが注目されていたように思います。ドイツのメルケルやデンマークのフレデリクセンなどたまたま女性が目立つのは、男性主流の国政で実績を積んでトップに立つ女性リーダーは優秀である確率が高いからでしょう。

吉田:コロナ危機以降、ヨーロッパで頻繁に言われるようになったリーダーシップのキーワードは「レジリエンス」です。「回復力」と訳されることが多いですが、つまり、予期せぬ危機にタフに対応する柔軟性です。ガチガチに凝り固まるのではなく、余白やゆとり、遊びの部分を備えて、変化にしなやかに適応していく力。個人も組織も社会も、レジリエンスを身につけていくことが、これからの不確実な世界を生き抜くために必要ではないかと感じます。

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よしだ・かずみつ◎博報堂、博報堂九州でCMプランナー/ディレクターを経て、1年間の育児休暇を取得し家族でアジア放浪へ。2016年オランダへ移住。広報・広告、マーケティング、企業の成長戦略策定、ブランディング、新規事業立ち上げ、新商品開発、Web制作、サービスデザイン、海外進出などクリエイティブ業務全般を担当。

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なかたけ・りゅうじ◎公益財団法人日本ラグビーフットボール協会理事。株式会社チームボックス代表取締役。三菱総合研究所勤務を経て早稲田大学ラグビー蹴球部監督就任。2010年、日本ラグビーフットボール協会、コーチングディレクター就任。12年より3期に渡りラグビーU20日本代表ヘッドコーチに就任。また自身で会社も経営、企業のリーダー育成に取り組んでいる。

文=宮本恵理子

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