入学後は、東大で45年の歴史を持つ書評誌「ひろば」の編集長、「ドラゴン桜2」に情報提供する東大生団体「東龍門」のリーダーを務め、高校生に勉強法を教える「リアルドラゴン桜プロジェクト」も行っている。また現在は、コロナウイルスで休校になり学校に行けなくなった学生のために現役東大生が生配信で授業を行う「スマホ学園」も運営する。
著書『現役東大生が選ぶ いま読むべき100冊』(2019年、光文社刊)の「前書き」で、西岡氏は以下のように書いている。
「僕はかつて、偏差値35しかありませんでした。高校3年生の模試の成績が偏差値35で、英語の成績が3点、数学の成績が18点でした。そんな僕が東大に合格できたのは、「本」があったからです。(中略)この本ではみなさんに、『自分の世界を変えるための本』をご紹介していきます。『読むと世界が変わる本』ではありません。『自分の世界を変えるための本』です。つまり、みなさん一人一人が『活用するための本』をご紹介したいのです」
ここではそんな本書から、大学受験までに子どもに読ませたい、子どもと読みたい本を紹介する。第1回の(政治・経済書編)に続く第2回は「未来を知るSF本」10冊だ。
1. 想像力の可能性に驚かされる
『月は無慈悲な夜の女王』(新装版)ロバート・A・ハインライン、矢野徹訳
2076年、地球の植民地となった月に住む月世界人が、独立を求め、搾取を繰り返す地球人に立ち向かう。
2. 人間の持つ残虐性に気づかせてくれる
『虐殺器官』伊藤計劃
9.11後、途上国で内戦や虐殺が急増。暗躍が疑われる謎の人物を米軍大尉がチェコ、インド、アフリカへと追う。
3. 世界の矛盾を知ることができる一冊
『ヨルムンガンド』(全11巻)高橋慶太郎
武器を憎む元少年兵が、女性武器商人が率いる私設部隊の一員として世界を旅しながら、やがて壮大な計画に巻き込まれていく。
4. 「慈しむ」という、人間の高度な能力に気づかされる
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』フィリップ・K・ディック、浅倉久志訳
火星に住む人類の奴隷アンドロイドが地球に逃亡。高額な懸賞金を狙い、主人公はアンドロイド狩りに乗り出す。