5. 「システム」と「人間」の関係をリアルに描く
『PSYCHO・PASS』(上・下)深見真
性格的傾向が数値化される2112年の社会で、犯罪を犯す可能性の高い「潜在犯」を駆使するシステムと刑事らを描く。
6. 人の知識欲はいかに「情報の氾濫」に対抗しうるのか?
『know』野崎まど
2081年京都。情報庁で働く御野は、行方不明の恩師が残した暗号を発見。ある少女と4日間をともに真相に迫る。
7. 「好き!」という強い想いが持つ破壊力に翻弄されよ
『あげくの果てのカノン』(全5巻)米代恭
「地下の人」かつ既婚者の境先輩に熱狂的な思いを寄せる、「地上の人」かのん。ストーカー気質ながらも純愛の話。
8. 何度も読み返したくなる、見事な大どんでん返し
『昨日は彼女も恋してた』『明日も彼女は恋をする』(上下巻構成)入間人間
小さな離島に住む主人公と車椅子の少女マチが出会い、時空を超えて過去に飛ぶ。
9. 現代社会に向けられた恐ろしくリアルな警告の書
『一九八四年』(新訳版)ジョージ・オーウェル、高橋和久訳
世界が分断された近未来。ビッグ・ブラザーの支配国で歴史改ざんに携わる役人が、ある女性と出会い体制の裏側を知る。
10. 現代社会のあり方に対するアンチテーゼ
『ハーモニー』(新版)伊藤計劃
科学技術が発展し、すべてが技術のコントロール下に置かれた近未来社会で、一人の少女が取った選択とはー。
西岡壱誠◎現役東大生作家。19万部突破の『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(2018年、東洋経済新報社刊)など著書多数。東大で45年の歴史を持つ書評誌「ひろば」の編集長、「ドラゴン桜2」に情報提供する東大生団体「東龍門」のリーダーを務める。また、高校生に勉強法を教える「リアルドラゴン桜プロジェクト」も行っている。