カール:いってみれば、細胞はレゴブロックのようなものです。そのレゴブロックをパチパチと組み立てて、心臓や脳ができているのです。人間の体は37兆個もの細胞でできていますが、その小さな細胞も、ウイルスと比べたらとてつもなく大きいんです。どれほど大きいかというと、ウイルスをサッカーボールだとしたら細胞は40階建てのビルになります。
ウイルスという泡はとても小さいので、その中には遺伝子ぐらいしか入っていません。遺伝子のことは設計図か料理のレシピのようなものだと考えてみてください。そう、遺伝子はウイルスを作るレシピなんです。でも、ウイルスはウイルスを作るために必要な道具を持っていません。なので、道具をセコイアの木やクラゲやキノコといった宿主に借ります。宿主の細胞の中に入って、もっとたくさんウイルスを作らせるんです。
マイケル:では、次の質問を聞いてみましょう。
──こんにちは、ヴィヴィアナです。カリフォルニアのサン・マテオに住んでます。コロナウイルスって色がついてるんですか? 顕微鏡で見たらわかるんですか? 顕微鏡で見たら、どんな色ですか?
カール:コロナウイルスは顕微鏡で見ることはできますが、色はついていません。色というものは光の当たり具合で決まりますし、光も届くまでに変化してしまいます。ウイルスは小さすぎて色がつかないんです。
みなさんがよく見ているウイルスの写真には色がついていますが、色があったほうがいろんな部分がはっきりと見えるので、科学者が色をつけているんです。
コロナウイルスの見た目の一番の特徴は、王冠のようにトゲがあちこちから突き出ているところです。つまりトゲだらけの泡なんです。コロナウイルスという名前はこの外見からつけられました。王冠のラテン語は“コロナ”なんですよ。
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マイケル:なるほど。では次に、そんなトゲだらけのちっぽけな泡が、どうやってわたしたちの体内に入ってくるのかを知りたがっている子供からの質問です。
──こんにちは、マイケル。あたしはハナで、4歳で、ヴァージニアから電話してます。どうして人間の体の中でパンデミックが起きちゃうの?
カール:それはですね、ウイルスがいくつかの方法で人間の体内に入るからです。たとえばこんな感じです。ウイルスで病気になった人が握ったばかりのドアノブを、あなたも握りました。ドアノブにはウイルスがついていて、握ったあなたの手にウイルスがついてしまいました。そして鼻がむずむずしてきてかいたら、今度は手についたウイルスが鼻の中に入りました。
マイケル:そのあとはどうなるんですか?