先日、Wi-Fiの最新規格であるWi-Fi 6に対応するルーターを導入したところ、通信の速度が劇的に速くなっただけでなく、宅内でルーターから遠く離れた部屋からも安定した通信品質が得られるようになり、仕事机の配置替えなど在宅ワークの環境を整えることができた。ハイスペックなA13 BionicチップとWi-Fi 6の機能を搭載する新しいiPhone SEも同様の使い勝手を期待できそうだ。
子どものいる家庭では在宅学習ツールとしてiPhone SEが役に立ちそうだ。新型コロナウイルス感染症の影響拡大を受けて、4月の初旬に国内の大手通信キャリアが揃って学生の在宅学習を支援する目的で、期間限定ながら最大50GBまでの追加データの購入料金無償化を始めている。宅内のWi-Fiと併用することで学生や就学児童のオンライン授業、連絡に必要なコミュニケーションがiPhoneでスムーズにこなせるようになるはずだ。
買い増しして「2台持ち」する価値がある
筆者は離れて暮らす高齢の家族にもiPhone SEを購入して渡したいと考えている。ウイルス感染を予防するためには家族の様子を見に足を運ぶわけにもいかないため、iPhoneを使ったFaceTimeアプリによるビデオ通話が見守りの手段として有効だと考えるからだ。親の周囲にもiPhoneのユーザーが多くいると聞くので、困りごとがある場合は私に限らず、兄弟や親の友人も使い方を手引きできるだろう。
筆者自身にも新しいiPhone SEを買い増しして、iPhone 11 Proと“2台持ち”で使う意味があると考えている。
iPhone 11 ProとiPhone 7の本体サイズを比べてみる。iPhone SEはiPhone 7とほぼ同じサイズ感になりそうだ。
iPhone SEは指紋認証によるロック解除ができるホームボタンを搭載している。だからマスクを着けたうえでどうしても外出せざるを得ない場面ではiPhone SEが手元にあると心強い。iPhone 11 Proはこれまで通り在宅時に仕事や動画・音楽を楽しむ際に活用しながら、筆者のApple IDにiPhone SEをひも付ければ、iCloudによりメールにメモ、写真などのデータが2つのiPhoneの間で常にフレッシュな状態で同期しておける。
2台のiPhoneを維持するためには通信コストを安く抑えるためには、いわゆる“格安SIM”のサービスも有効に使いたい。例えば毎月6GBの通信量を月額1520円(税別)で利用できるIIJmioのデータ通信専用SIMは、物理SIMカードのほかに埋め込み型のeSIM対応も実現している。新しいiPhone SEはeSIM機能を搭載している。eSIMの場合、プランの申し込み後にSIMカードの到着を待たなくても自宅にいながら手続きを済ませることができて、発行されたアクティベーションコードをiPhoneに読み込めばすぐにデータ通信が開通する。
今後メインのスマホは5G対応の機種を選ぶとしても、ウイルス感染症の拡大が収束する方向に進むまでしばらくの間は、コンパクトでフットワークにも優れるiPhone SEが重宝しそうだ。新しいiPhone SEは古いiPhoneからの買い換えだけでなく、既存のスマホユーザーの買い増し需要も取り込みながら発売後に大きく売り上げを伸ばすのではないだろうか。