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「BEYOND THE CORONA CRISIS」サムネイルデザイン=高田尚弥

コロナショックは、私たちの生活だけでなく様々な事業者にも計り知れない影響を与えている。そんな中、自粛要請で消費が落ち込み経営に苦しむホテルや飲食店を助けようと、若きリーダーたちが独自のアイデアでプロジェクトを立ち上げている。

2019年8月にForbes JAPANが発表した世界を舞台に活躍する30歳未満の30人を選出する「30 UNDER 30 JAPAN 2019」の受賞者の中から、新型コロナウイルス感染拡大の影響から始まった新たなビジネスを紹介しよう。日頃からデジタル技術を使いこなす彼らは、人との接触が制限される世の中でどんなアイディアを生み出したのか──。


ジム動画無料配信&臨時採用/塚田美樹、眞琴(b-monster)


デジタル世代のリーダーたちは、ありとあらゆることをネット上で実現させていく。今ではYouTubeなど動画配信サービスで多様なコンテンツを見ることができるが、暗闇ボクシングを日本に普及させたb-monsterは、ジムで行なっているプログラムの無料配信を始めた。

30UNDER30コンシューマー・ビジネス部門で選出された塚田美樹、眞琴姉妹は「心身共に洗練されチャレンジし続ける人で溢れる世界を作る」というビジョンを掲げ、徹底したブランド戦略でオリジナルの世界観をもつジムを作り出した。

b-monster
b-monsterのストリーム配信で、自宅でのトレーニングが可能に。多様なプログラムが展開されている。

新型コロナウイルス感染拡大によりジムの閉鎖を決断したが、こんな時だからこそと運動不足とストレス解消のために人気トレーナーによる12種類の動画配信を始めた。このサービスは、以前からb-monsterを利用していなかった人でも会員登録をすれば、簡単に観ることができる。

また、b-monsterでは3月中旬よりコロナショックによる景気悪化で内定の取り消しを受けた学生を対象に臨時の採用を行なっており、雇用創出にも貢献している。

オンラインミュージアムを開催中/松田崇弥、文登(ヘラルボニー)


あらゆるコンテンツがネット配信され、オンライン〇〇という言葉がよく聞かれるが、「オンラインミュージアム」という言葉はご存知だろうか。ソーシャルアントレプレナー部門で選出されたヘラルボニーを運営する双子の松田崇弥、文登は、外出自粛で人々が足を運べないアート展をオンライン上でも開催している。

ヘラルボニーは、障害のあるアーティストが生み出す作品をブランド化し、その活用を企業や自治体に向けて提案している。4月2日の世界自閉症啓発デーに合わせて、茨城県つくば市の福祉施設「自然生クラブ」の利用者が手掛けた40点以上もの作品を南青山のNORA HAIR SALONで5月30日まで展示中だ。

さらに外出自粛要請を受けて、noteで展示中の全作品を紹介。作品名や作者の紹介文も載せることで、より多くの人の目に触れられるオンラインミュージアムを実現した。気に入ったものがあれば、オンラインで購入することも可能。

ヘラルボニー作品、木村隆広
生き生きとした色づかいに元気を与えられる作品が並ぶ。絵=木村隆広「コアラ」

また、世界自閉症啓発デーのシンボルカラーであるブルーにちなんだ20本限定生産のアートネクタイ(24200円)を販売する。4月30日まで公式オンラインストアで予約を受け付けている。ネクタイにはダウン症、健康上の不安を抱えながらも豊かな感受性と想像力で、表現の幅を広げている高田祐の作品があしらわれている。

ヘラルボニー、作品、高田祐
高田祐「迷路」(画像=ヘラルボニー)

多くの美術館が閉館している状況で、オンラインの展示会という発想が生まれた背景には、双子の作品に対する思いの強さが現れているように思う。暗いニュースが多い時こそ、アートの発揮する力は大きいのかもしれない。

文=田中舞子

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