ブドウ一粒に込められた思い~グローバル・ワイン講座

食事とワインは切っても切り離せない。それぞれの特徴を活かして組み合わせると、相性次第では、魅力が倍増する場合もあるが、逆もあり得る。

筆者は以前、フードワインスペシャリストの小枝絵麻さんによる料理とワインのペアリングセミナー(日本ソムリエ協会主催)に出席し、実際にその効果を体験した。レストランであればソムリエに相談することもできるが、自宅で過ごす時間が多い今、自分でも実践できるペアリングについて小枝さんにコツを聞いた。

ペアリングの方程式とは


幼少期のほとんどを海外で過ごした小枝さんは、アメリカの名門料理学校である「The Culinary Institute of America」を卒業。ワイナリーで料理人として働いたあと独立し、現在は、「ナパヴァレー・ヴィントナーズ」日本事務局代表としてナパのワインの魅力を伝えている。


フードワインスペシャリストの小枝絵麻さん

小枝さんは、料理の食材、調理法、味付け、それぞれに点数をつけ、その総数と、ワインのタイプに応じた点数とをバランスさせることで、誰でもワインと料理のペアリングを成功させることができる「方程式」を考案し、紹介している。

基本的な考え方としては、ライトな食材や調理方法(生や湯がくなど)には低い点数をつけ、霜降り肉など重めの食材や調理方法(フライなど)には高い点数をつける。合わせるワインも、軽めの白ワインの点数は低く、フルボディの濃厚な赤ワインは点数が高い。料理の総数とワインの総数が合うように選ぶと、そのペアリングの成功率が高くなるというわけだ。


小枝さん発案の料理とワインのペアリング方程式

そこで鍵となるのが“ブリッジ食材”だ。これは、ワインと料理を結びつけるもので、たとえば、レモンやナッツなどの食材から、たまり醤油や白味噌などの日本の調味料まで幅広く考えられる。適切なブリッジ食材を料理に加えることで、ワインとの相性がアップし、また、ワインの隠れた多面的な要素が引き出されることがあると言う。

例えば、瓶内二次発酵の製法で造られたスパークリングワインには、ナッツやブリオッシュといったフレーバーがあるが、合わせる料理に、アーモンドバターを追加するとそれがワインと料理との橋渡しになり、両方の要素がまとまり、口の中に調和が生まれる。また、ナパのシャルドネには、蜂蜜などの甘やかなニュアンスが感じられることが多いが、料理にも蜂蜜を少し足すことで、料理とワインの橋渡しになるというのだ。
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例:セミナーでも提供された、スパークリングワイン(ロデレール・エステートのエルミタージュ2012)と「アーモンドバターとマッシュルームのカナッペ」のペアリング

文=島悠里

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