ビル・ゲイツ「米国は最大10週間の完全隔離が必要」と指摘

マイクロソフトの共同創業者 ビル・ゲイツ(Photo by Michael Cohen / Getty Images)

ビル・ゲイツは3月24日、米国が新型コロナウイルスの感染症による死者数や経済的ダメージを最小限に抑えるための、唯一の実行有効なオプションは、6週間から10週間に及ぶ完全な隔離措置を行うことだと発言した。

ビリオネアで慈善活動家として知られるゲイツは24日、TEDで行われたクリス・アンダーソンとのディスカッションに登場し、米国がそのような厳しい隔離措置を行った場合、20日間以内に前向きな結果が得られるだろうと話した。

ゲイツは、米国が今年2月時点で包括的な検査体制を築いていれば、このような厳格な措置に踏み出す必要はなかったと主張した。

「厳しい言い方になるが、現状ではもはや妥協の余地はない。以前と変わらぬ生活を続けながら、壊滅的事態を防げると人々に告げるのは、非常に無責任なことだ」と彼は続けた。中国の武漢やイタリア北部で発生した壊滅的事態を避けるために、米国は隔離を続けるしかないと、ゲイツは繰り返し主張した。

一方でゲイツは、彼特有の楽観的な見方も示した。人類は今回の経験を活かし、次のパンデミックにはうまく対処できるはずだと彼は話した。

ゲイツは、現時点で北半球の先進国が開発を進めているイノベーションが今後、南半球の貧しい国々が感染拡大に対処する上で役立つものになることについては自信を抱いている。

マイクロソフトを共同創業したゲイツは現在、世界2位の富豪で、保有資産は974億ドル(約11兆円)とされている。彼は妻と設立した慈善団体のビル&メリンダ・ゲイツ財団を通じ、これまで資産の25%を寄付している。同財団は新型コロナウイルスの治療薬の開発に向け、5000万ドルを寄付している。

編集=上田裕資

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