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自前の肌に組織層を一枚重ねる3Dプリンターでの「使用前・使用後」

以下、英国のエンジニアたちが立ち上げたテクノロジー特化メディア「Wonderfulengineering.com」から転載して紹介する。


会議アプリがすっぴん顔に眉毛まで書いてくれる時代、自撮り写真にフィルターをかけることなど、もはや普通のことになった。GooglePlayストアで見つけたお気に入りのアプリで、ウェディングフォトを撮影することだってできる。

だが、リアルな自分の肌の状態はそれでも気になるはず。その証拠に、アンチエイジングクリームやセラムのビジネスはきわめて活況だ。そして、さらに完璧を手に入れるための最後の一手を、現代の科学が貪欲に追究しようとしている。

2018年、スキンプリンターの技術で新たなブレークスルーが生まれた。肌にタトゥーを印刷するプリンターではなく、その上を行くものだ。トロント大学の研究チームが開発した、皮膚移植手術を近代化する携帯型3Dスキンプリンターで、加齢のサインとなるシミやシワを見せずに長生きすることが可能になったのである。



この3Dスキンプリンターは、傷や火傷の跡を隠すためにも使われていた。本来の肌の上に組織層を一枚重ねるのに相当する。しかも嬉しいことに、本来の肌を削る必要はない。

いわば、自分の顔を「絵画用のカンバス」と考えればいいのだ。そこに外科医が、「メス」ではなく重さ1キロ未満のデバイスで施術をする、というわけだ。


携帯型3Dスキンプリンター / Wonderfulengineering.com

自分の生きた細胞をあきらめて、人工的な「バイオインク」を塗る……とイメージするかもしれない。が、この研究には続きがある。

アメリカのレンセラー工科大学が、生きた皮膚を3D印刷する方法の研究を始めたのだ。複雑な生物学の説明は抜きにして簡単に言うと、生体材料を使ったインクを結合し、移植用の皮膚を形成し、患者の肌に合わせて「貼り付ける」というものだ。


3Dスキンプリンターで出力した移植用の皮膚 / Wonderfulengineering.com

ここから先の話を聞けば、とくに女性はみんな最寄りの店舗に走りたくになるに違いない。ほぼ全世界にその名を知られている大企業、「P&G」が、インクジェットプリンター「オプト」を開発した。


P&Gのスキンプリンター「オプト」/ Wonderfulengineering.com

翻訳=上原裕美子 編集=石井節子

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