ただし、見つけるためには、どこを探せばよいかを知っていなければならない。
地球軌道上から見たG3彗星
国際宇宙ステーション(ISS)に滞在中の米航空宇宙局(NASA)のドン・ペティット宇宙飛行士は、ISSに接続されたスペースXのカプセル型宇宙船「ドラゴン」の窓から捉えたアトラスG3彗星の写真をSNSで公開。「軌道上から見た彗星は実にすばらしい。アトラスC2024-G3が私たちの元を訪れている」と投稿した。これに先立ち、ロシアの宇宙飛行士イワン・ワグネルも彗星を撮影している。地上からの写真もいくつも公開されている。スロバキアの天体写真家ペトル・ホラーレックが撮影した1枚は、とりわけ美しい。「彗星は肉眼でも見えた」とホラーレックはインスタグラムに書いている。
アトラスG3彗星とは?
非常に細長い楕円軌道を持ち、公転周期が極めて長いアトラスG3彗星は、太陽系の外縁を取り囲む氷微惑星の集まりである「オールトの雲」からやってきた可能性が高い。2025年1月13日に太陽に最も近づく「近日点」に到達。驚くべきことに、太陽からわずか1340万キロの距離まで接近したにもかかわらず、崩壊することなく生き延びた。
NASAのジェット推進研究所(JPL)によると、今後数十万年間は太陽系に戻ってくることはなさそうだ。試算では、重力の相互作用によって太陽から離れた状態が約60万年後まで長引くという。
