ビジネス

2020.04.21 14:30

アメリカに学ぶ、2020年のマーケティング重要な3つのポイント


マーケティングもウェルビーイングであるべき


ウェルビーイングとは身体的、精神的に良いとされる状態で、「幸福」と訳されることもある言葉だ。

特にインターネット界隈では、ソーシャルメディアを中心とする、誹謗中傷、ヘイト、偏見、ネット依存などによる心や体に対する害が注目され、利便性や快楽を求めるのもいいけどそれって本当にウェルビーイングなのか、といったような疑問が出てきているのだ。

インターネットに限った概念ではなく、ウェルビーイングな人生・キャリアを送るためのハウツー本なども出てきている。

このウェルビーイングを求める精神は、我々の身近にあるインターネット・マーケティング界隈にも絡んでくるというわけだ。実際にインターネットを代表する企業の間でもウェルビーイングを意識した取り組みが見られる。

・Googleはオンラインとオフラインの良いバランスを見つけるためのツールを提供している。各アプリの利用時間の可視化や、インターネット利用中に休憩を促すお知らせを出す機能などがある。

グーグルのツールの写真
google wellbeeing(Googleのデジタルウェルビーイングツール。公式サイトより)

・Instagramは投稿へのいいね数を非表示にし始めている。

・Facebookはより安心できるコミュニティや仲間内でやり取りを楽しめるように、クローズドなグループ機能を拡大した。LinkedInも同類の機能をリリース予定。

利用の制限などは一見、自社サービスの利用を削いでしまう施策のように思われるが、長期的に、本当にユーザーにとって良いものを提供することを考えると、それが両者にとって最善であることがわかる。このようなサービスが支持され、長く愛されるブランドになるのだ。

自社利益を考えすぎたサービスやマーケティング活動は、一時的には良いパフォーマンスを生み出すかもしれないが、長期的には損失となる。上記の例もそれを見越してのアクションではないだろうか。

今までの、モノを出して売れる時代には、マーケティングには売上が最優先事項となっていたが、モノで溢れかえった今、消費者の目が肥え、ブランドは選ばれる側だ。

本当に良いブランド、言うなればユーザーが長期的に幸福を見込めるブランドが選ばれるようになっている。

以上を考慮すると、しつこく何回も何箇所も表示させるような広告や、間違ってクリックしそうなところにクリックボタンを設置しておくなど、やるべきではないことは自ずと見えてくる。
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文=Yasuko Katsumata(btrax)

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