・2019年3月、Instagramでの買い物が、完全にInstagramで完結するショッパブル機能が加わった(下写真)。現在はアメリカのいくつかのブランドに限り、ベータ版として展開をしているが、今後拡大予定(通常のショッパブル投稿は利用可能)。
instagram shoppableの画面
・Facebookは2019年11月にFacebook Payをローンチ。個人間の送金だけでなく、マーケットプレイスでの決済ができるようになる。
一方で、モノを売るだけのオフライン・実店舗は終焉を迎えている。
・2019年、アメリカでは実に9,000以上の店舗が閉鎖した。2018年より6割増である。老舗百貨店のバーニーズニューヨークや、かつては人気を把握したForever 21など、多くのブランドが経営破綻を迎えた年でもあった。
・オンラインの拡大や、「コト消費」が広がっていく中、モノを売るだけの土地は意味がなくなってきた。
一方で、AmazonGoは2021年までに3,000店舗まで増やす発表していたり、サンフランシスコにも小売系スタートアップが実店舗を展開していたりと、実店舗を強化する動きも見られた。
・Rent the Runwayは西海岸旗艦店をサンフランシスコに(リニューアル)オープン
・キュレーションストアのRe:storeのオープン
・サンフランシスコの若者に人気のエリア、エイズバレーにはAllbirdsやmejuriなどD2Cブランドの店舗がオープン
さっと思い出したものだけでもこれくらいある。これらのブランドの多くは、もともとオンラインで誕生し、オンラインをメインのチャネルとして拡大してきた。
ウェブサイトやソーシャルメディアで作り出すストーリーやコミュニティは、ユーザーがモノそのものではなく、ブランドに共感して支持していることがわかる。
一見、オンラインだけで成り立っているように見えるこれらのブランドは、実店舗を販売ではなくリアルな体験の提供の場として、さらに相乗効果を生み出しているようだ。
内装のデザインで世界観が表現されていることはもちろん、実際に人と話せるつながりや、ディスプレイ・タブレットによるスマートな利用体験、コミュニティイベントなどのエンゲージメントなど、販売ではない役割が店舗に課せられている。
この体験がブランドへのロイヤリティをさらに高め、オンラインでの繋がりを強くし、ひいては売上に繋がるアクションとなるのだ。
デジタルが伸びれば伸びるほど、実店舗が重要になる。これは量の話ではなく、店舗の質(体験)なのである。