未だに危機感の薄い日本を、今、海外メディアはどう見ているのだろうか。
日本の対応は、ギャンブル/The New York Times
3月26日に配信された記事では、東京の学校が休校になったり、スポーツイベントの中止が要請されたものの、都民は小池知事の自粛要請を真剣に捉えずに通常通りの生活を続けていることを伝えた。
他国と比べて感染者数や死者数が低いことを理由に、多くの人が花見に出かけ、買い物を楽しみ、飲食店で飲み会をしている様子を伝えた上で、識者のコメントを掲載している。
「これまでの日本の対応が正しかったのかどうかはわかりません。ただ、まだその結果が出ていないとも言えます」
ワシントン大学メタセンターの共同ディレクターであるピーター・ラビノウィッツ博士は、こう日本の状況を述べている。
コロンビア大学の疫学者で、中国でのデータを元に、1件新型コロナウイルスの感染が確認されるごとに5~10の未検出例があることを予測した報告書の著者でもあるジェフリー・シャーマンは、これまでの日本の対応について「ギャンブルだ」と指摘している。
「リスクは人が気づかないうちに醸成されているものです。気づいた時には、手遅れになっていることも考えられます」
3月25日まで、都民は通常通りの生活を送っていた/Reuters
ロイターは、日本では多くの人が通常通りの生活を送っていたが、3月26日、東京都から週末の外出自粛要請が出たことを受け、都内のスーパーマーケットで買いだめが発生していること、朝のラッシュアワーの混雑が軽減され、車両によっては空席が見つかるようになったとレポート。
都民の声として、トイレットペーパーやティッシュペーパーを都内のドラッグストアに輸送するトラック運転手のコメントを掲載した。
「新型コロナウイルスが発生する前は、週に5日、1日9〜10時間ほどの勤務でした。それが今では休むことなく、1日12〜13時間ほどの勤務が続いています。自分の体があとどれだけもつかわかりません」
自身は外出せざるを得ないと、現在の心境を述べたあるタクシー運転手のコメントも紹介された。
「自宅にいるよう要請されても、私は外出するしかないんです。自宅にいても、お金のこと、ウイルスのこと、そして今後の生活のことばかり考えてしまう。でも外に出て仕事をしていれば、そんな心配を忘れることができますから」