テクノロジー

2020.04.01 10:00

掃除ロボットが収集するデータも活用。アイロボットが目指す「スマートホーム構想」とは?

アイロボット アソシエイトプロダクトマネージャー アイリーン・リー


──現在、ロボット掃除機を手がけるメーカーが増えていますが、ルンバ s9+あるいはアイロボット社のロボット掃除機は、他社製品に対してどのような強みを持っているとお考えですか?
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ロボット掃除機事業を立ち上げた2002年時点では競争は激しくありませんでしたが、近年競合が増えてきているのは確かです。私たちの強みは、常に顧客視点であるということと、この分野のパイオニアであることだと考えています。顧客ファーストという点については、顧客からのフィードバックを常に重要視してきました。例えば、吸引力が重要という声を受け、ルンバ s9+では吸引力を従来モデルの40倍にパワーアップさせています。

──ルンバ s9+の発表と同時に発表された「スマートホーム構想」は、製品そのもの以上に印象に残りました。このルンバ s9+を軸として、どのようなスマートホーム連携/機能を実現していく予定でしょうか。また、アイロボット社としてどのようなライフスタイルの進化を目指しているのでしょうか。

拭き掃除ロボット「ブラーバ」との連携は、ほんのはじまりに過ぎません。Amazon AlexaやGoogle Homeなど他社製品との連携も開始しています。当社が掲げるスマートホーム構想は非常に重要な意味を持ちますが、すべて出揃っているわけではありません。まずは家のことを重視しようと掃除からスタートしていますが、今後はますます複雑になります。今後は自社製品だけではなく、他社製品と連携することになるでしょう。
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──現在、ルンバが取得したデータの一部はクラウドに保存されていますが、今後そのスタイルはどのように変わっていくのでしょうか。

当社がクラウドデータストレージに大きな価値があると考えているのは、顧客からのフィードバックが保存されているからです。これまで販売した300万台すべてのデータがクラウドにあるわけではありませんが、今後の製品開発に大いに役立ちます。スマートホーム構想における当社の優位性であると考えています。


アイリーン・リー◎1994年生まれ。カーネギーメロン大学で機械工学と設計の理学博士号を取得。新型素材とラピッドプロトタイピングの実験に関する研究に携わる。2017年よりアイロボット社へ入社。次世代製品の機械エンジニアおよびプロダクトマネージャーを務める。

取材・執筆=海上忍 写真=君嶋 寛慶

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