東日本大震災発生前後での防災グッズの内容について
前項では東日本大震災の発生で防災意識に大きな変化があったことが分かったが、震災が発生する前後で災害対策に変化はあたったのだろうか。
調査の結果、『水』『食料』『発電式充電器』『マスク』の項目が特に増加しており、準備した防災グッズに関して震災発生後に減少している項目はなかった。
震災発生後はライフラインの供給が絶たれ、唯一の連絡手段や情報収集手段であるスマホや携帯電話、ラジオなどに限られる。それらの電源が切れないように、発電式充電器の重要性も今後ますます高まるだろう。
東日本大震災発生前後での意識の変化について
次に、東日本大震災発生当時から現在までに、結婚・出産などで家族が増えた人と、そうでない人の意識の違いを見ていこう。
震災後に家族が増えた方に関しては、『83.7%』が変化があったと回答し、家族構成に変化のない方は『59.9%』という結果になった。
『はい』と回答した理由
・以前は親に守られていたが、今は自分が家族を守らなくてはならない(兵庫県/会社員/20代/男性)
・守らなければいけない大切な人が増えたので、使命感が増した(兵庫県/専業主婦/40代/女性)
・家族が増えたら心配もその分増えるから(群馬県/パート・アルバイト/40代/女性)
・あんな思いを子供にさせたくないから(山形県/会社員/20代/女性)
・守るべき対象が自分だけじゃなくなり、安全への優先順位が家族に移ったから(兵庫県/専業主婦/30代/女性)
『いいえ』と回答した理由
・すっかり忘れかけていた(神奈川県/パート・アルバイト/20代/女性)
・被災したわけではなかったから(群馬県/専業主婦/20代/女性)
・(災害が)起きるものは防げない(宮崎県/パート・アルバイト/30代/男性)
・なんとなく他人事のように思うから(千葉県/専業主婦/50代/女性)
災害から9年という歳月は、大切な人を守らなければならないといった使命感を抱くには十分な月日と言えるようだ。反対に、『いいえ』と回答した人は、その大きすぎる被害規模に現実に起こったこととしての認識が持てないといった意見が多くみられた。