「中学受験名門塾に聞く、本番を控えたわが子との過ごし方(その2:サピックス小学部・四谷大塚)」で大きな反響を得た「サピックス」教育事業本部本部長の広野雅明氏に聞いた。
4教科を満遍なく。「自信の元」で復習
入試直前の1月は、とにかく時間がないので、「得意教科を集中的に学習する」あるいは「苦手教科を重点的に学習する」のではなく、4教科(受験校の試験科目によっては2科目か3科目)を満遍なくおさらいしましょう。
大事なのは、「新しい問題には手をつけない」こと。短時間で仕上げられるものを計画的に学習するのがよいでしょう。
例えば、サピックスだと1問1答式の『サピックスメソッドコアプラス』という、中学入試で出題される重要事項の中から「核」となる知識を厳選してまとめた、一問一答形式の問題集があります。この教材は弊塾の生徒だと繰り返しやっているので、正答率が高く、気持ちを落ち着かせる効果があります。
個々の受験生にもそんな「自信の元」は必ずあるはずですから、不安になりやすい時期こそにはそういう繰り返し何度も学習した教材を活用して「味方」になってもらいましょう。
「日本入試センター(SAPIX代ゼミグループ)」教育事業本部本部長、広野雅明氏
この時期一番大切な、「生活管理」
実際の入試は、午前8時半〜9時に始まることが多いです。この時間帯に実力を発揮できるように朝方の生活にしたいと保護者も本人も考えるでしょう。しかし、受験学年は塾の授業終了時間が遅く、「言うはやすし」でなかなか実現できない。加えて直前期は冬の真っ只中で、寒い中の早起きはとりわけ難しいものです。
何よりも直前期だからといって生活のリズムを急激に変えると、体調を崩す危険性があるので、無理に朝型にする必要はありません。心もち朝に寄せていく、くらいがよいでしょう。
例えば、進学塾ではそれぞれ、「正月特訓」が9時くらいから始まると思いますので、その時間に「頭脳が全開」になるように、年明けくらいからコントロールすればよいと思います。