記事の中では、第1位の組織の資金源には「ある国」と「あるビジネス」が大きく関わっているばかりでなく、そのある国が2015年に各国と締結した「核兵器開発防止に向けた歴史的最終合意」が、意外な「サポート」をしていたことが明らかにされている。
この組織の資金は巧みにカモフラージュされ、不動産取引業や中古車ディーラーの資本として世界中に隠されているという。ひょっとして、日本にも━━。
このたび念願の翻訳許諾がフォーブス・イスラエルから取れたため、以下転載する。
オリジナル記事の元となったフォーブス・イスラエル2017年12月号表紙
第1位「ヒズボラ」のデータ
主な活動目的:イスラエルに対する武力闘争、レバノンにおけるシーア派イスラム国家の樹立。イランの「シーア派三日月地帯」プログラムの実施。
活動地域:主にレバノンおよびシリア。イラクおよびイエメンでも活動。
強み:世界中に何万人もの支持者とメンバー。現役戦闘員が3万人、予備兵士が約2万人。
主な資金源:イランからの資金援助、麻薬製造および取引。
「ヒズボラ」と麻薬産業
1982年に結成された急進的シーア派イスラム主義政治組織「ヒズボラ」。今回明らかになった「テロリスト長者番付」の第1位だ。その事業ポートフォリオ上で燦然と輝くのが、世界的な麻薬産業からの資金流入だ。
ヒズボラは南米からアフリカ、ヨーロッパ、極東、オーストラリア、中東などを網羅し、国際的な組織犯罪に関わっている。そのさまざまな活動は継続的なマネーロンダリング、偽札作り、武器取引、密輸、そして何よりも麻薬関連。主にヘロインとコカインの製造と取引をおこなう活発な「ヒズボラ下部組織」が存在するのだ。
ヒズボラの指導者たちはもちろん全面的に否定しているものの、米国麻薬取締局(DEA)の職員たちは、過激派イスラム組織、とりわけこのヒズボラと、「三国国境地帯(アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ)」で活動する麻薬組織の関係を決定づける証拠をすでにおさえている。
「ヒズボラ」指導者ハサン・ナスルッラーフ
ヒズボラは、1980年代初頭からすでに南米の麻薬産業に関与していたが、「大躍進」を遂げたのはこの10年あまりだ。
南米、北アフリカの組織と「密通」
世界に離散した膨大なシーア派レバノン人たちと、南米で独占的な権益を持つ麻薬組織、それに北アフリカのテロ組織や犯罪組織らは、互いに非常に緊密な連携を取りあっている。それによって国際的な麻薬網が築かれ、毎年何十億ドルもの利益を上げているが、その利益をむさぼっている組織のひとつこそがヒズボラなのだ。