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2019.11.10 12:30

日本車はアメリカの「狩人用」市場に食い込めるか?

トヨタ・タコマ

アメリカは中国に次いで世界2位の自動車市場だ。同国のカーメーカーのディーラーのカテゴリーを見ると、「家族用」「カップル用」「シニア用」「初心者用」と並ぶが、その中には日本にはない「狩人用」というものもある。秋は狩猟の季節なので、「狩人用」のクルマを見てみよう。

各カーメーカーには、ハンターのクルマのための専門部署があり、そのニーズに応えられるように、既存の大型ピクアップ・トラックをうまく工夫している。エンジンは当然、力のあるV8、またはV6ディーゼルターボを積んでいるし、全ての車両には4WDのドライブトレーンが付いている。やはり、カリブー、イノシシ、クーガー、七面鳥、熊、狼、鹿などを獲るためには、これだけのパワーとトラクションが必要だ。

アメリカのGM、フォード、クライスラーというビッグ3と競争するために、日本のカーメーカーも「郷に入っては郷に従え」ということで、およそ25年前からライバル車を作り始めた。

アメリカで一番売れている狩人用のトラックは、世界一の販売台数を誇るフォードF150のFX4仕様だ。ちなみに、F150シリーズは月々に約7万5千台が発売されているので、年間では90万台の販売台数になる。5.7LのV8エンジンを搭載するFCAグループのラム・レベルを含むラム・シリーズは年間約65万台、またはレトロ的なデザインのシボレー・シルバラードZ71は年間55万台を記録している。

この競争の激しい市場にトヨタは、1995年にハイラックスの後継車としてタコマ、1999年にはタンドラを導入。日産は2004年にタイタンを、ホンダはリッジラインを発表した。

では、この市場で日本車はどれほど存在感を発揮できているか? 数字を少し見てみよう。販売台数では、タコマは年間およそ25万台、タンドラは約10万台、タイタンは3万5千台、リッジラインは約3万台になる。

しかし、アメリカの狩人たちは、一般市民よりもプライドや愛国心が高いので、この厳しい市場に入り込むのはそう簡単なことではない。だから、トヨタや日産などがよくアピールしなければならないのは、自社の車両の耐久性、信頼性、悪路での走り、それにハイテクな機能性だ。つまり、「僕ら日本の大型トラックはアメリカ車と同じくらい、いや、それ以上にタフだよ」と。
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文=ピーター・ライオン

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