実用的な問題解決と考え過ぎの違いとは?

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「上司はなぜあんなことを言ったのだろう?」「売り上げアップを目指す会話はどう始めればいい?」「昨日の会議で話し過ぎてしまっていたらどうしよう?」

こうした問いは、考え過ぎているときに次から次へと頭に浮かぶものだ。考え過ぎは、不安を減らすどころか行き詰まりにつながる恐れがある。

またこれにより、新たな問題が生まれることもある。考え過ぎは睡眠障害や精神疾患のリスク増加など、さまざまな悪影響を生むことが複数の研究から示されてきた。

しかし考え過ぎは、問題解決と混同してしまいがちだ。いろいろと過去のことを蒸し返し心配することが、どういうわけだか生産的な行いであると、自分に言い聞かせてしまうのだ。

問題解決と考え過ぎの違いは?

私は心理療法士として、特定の問題について心配することに多大な時間を投じる必要があると考えている数えきれないほどの人々と対話してきた。こうした人は、何かについて時間を使って考えれば考えるほど、解決策を思いつく(あるいは悪い結果を防げる)可能性が高まると思い込んでいた。

こうした人々らが理解していなかったのは、問題への解決策は必ずしも一生懸命考えることで生まれるわけではないということだ。

時間と精神力は、私たちが持つリソースの中でも特に大切なものだ。考え過ぎることに費やして無駄にするのではなく、問題解決に投資することがより賢い選択だ。

問題解決のシンプルな定義は「解決策を積極的に探すこと」だ。つまり、スキルの改善や戦略、アクションステップの取り方などを模索することを指す。問題解決をしているかどうかは、ストレスが減るかどうかで分かる。

一方、考え過ぎは分析のし過ぎや心配、ただ黙って考えを巡らすことを指す。こうした行動により、現在抱えている問題から頭が離れられなくなり、解決策を思いつきづらくなる。

また、考え過ぎによりストレスも増加する。そうなれば、ネガティブなことに焦点を当てやすくなり、永続的な不安感から逃れられない恐れがある。
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編集=遠藤宗生

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