IPO目前のフードデリバリー企業が未来を託す「出前ロボット」

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フードデリバリー企業「Postmates(ポストメイツ)」は、自動運転車向けに遠隔操作技術を提供するシリコンバレーのスタートアップ「Phantom Auto」と提携したことを明らかにした。Postmatesは今後、歩道を走行する配達ロボット「Serve」にPhantom Autoのソフトウェアを搭載し、配達の遅延を防ぐという。

Serveはショッピングカートほどの大きさで、黄色と黒の模様に丸い目が特徴的なロボットだ。IPOを準備中のPostmatesは、本拠地のサンフランシスコとロサンゼルスでServeの導入を進めている。

今回の提携によってServeを遠隔操作できるようになるほか、Phantom Autoが開発した低遅延モバイル通信を介してServeの動向を監視することが可能になる。Serveには、Postmatesが自社開発したガイダンスソフトウェアやLiDARセンサー、ソナー、カメラなどが搭載されており、自動運転車と同様に周囲の障害物を検知することができる。

「Phantom Autoのソフトウェアによって、遠隔からモニタリングをしたり、必要に応じて操作を行うことができるようになった。Phantom AutoはServeの安全性と信頼性を高め、より多くの地域でサービスを提供することを可能にしてくれた」とPostmates で特殊プロジェクトを担当するバイスプレジデント、Ali Kashaniは述べている。

カリフォルニア州マウンテンビューに本拠を置くPhantom Autoは、2018年にステルスモードを脱して以来、1900万ドル(約20億円)を調達している。同社は、Postmatesとの契約内容を明らかにしていない。

Phantom Autoは、遠隔操作ソフト以外にもリモートガイダンスシステムや通信サービスを運送会社に提供して収益を上げている。同社の共同創業者のElliot Katzは、顧客企業の名前を明らかにしていない。Phantom Autoの基盤技術を開発したのは、現在28歳の共同創業者兼CEOであるShai Magzimofだ。もともとは、自動運転車が走行に行き詰まったときにガイダンスや遠隔操作を行うことが主な用途だった。
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編集=上田裕資

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