米国の電子タバコ被害、闇市場の「大麻入り」製品が原因か

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米国のFDA(食品医薬品局)とCDC(疾病予防管理センター)は電子タバコの使用に起因すると見られる215件の疾患を調査中であると発表した。その後、当局はこれらの疾患の原因が、電子タバコに含まれるビタミンEに起因している可能性を指摘した。

ニューヨーク保健当局は先週、電子タバコの吸引に起因する34件の疾患にビタミンE及び、ビタミンEオイル関連の物質が関わっていた疑いがあると述べた。ニューヨーク州の保健当局のHoward Zuckerは9月5日、これらの物質のほぼ全ては「大麻を含むカートリッジに含有されていた」と述べた。

Zuckerによると、ビタミンEオイルが電子タバコの主流である、ニコチンベースの製品に含まれていたケースはないという。また、正式な医療大麻プロダクトの添加物として、ビタミンEは認可されていないという。

米紙ワシントン・ポストも先週、米食品医薬品局(FDA)の担当者らが、これらの患者が用いた大麻を含むプロダクトに、ビタミンEが含まれていたことを突き止めたと報道した。しかし、米国疾病管理予防センター(CDC)は、一部の患者が「ニコチン関連の製品しか使用していなかった」と述べたとも報告している。

ビタミンEは健康や美容目的で一般的に利用されるサプリメントであり、経口及び、スキンケアオイルとして摂取されている。ただし、ビタミンEを気化させて摂取した場合、変化した物質が肺の内部を覆い、リポイド肺炎を引き起こす可能性があるという。

NBCニュースの報道によると、ビタミンEの変性物質がリポイド肺炎を引き起こした事例は過去にもあり、それらは自家製の大麻カートリッジの使用が原因となっていたという。

大麻関連メディアのLeaflyによると、ビタミンEが含有されている電子タバコ用の大麻カートリッジは、アンダーグラウンド市場で出回っている。また、個人がビタミンEを大麻入り電子タバコに加える場合もあるという。

米国では法規制に沿わない電子タバコプロダクトが販売されており、これらの製品に規制外の成分が含まれており、これが疾患の原因となった可能性がある。電子タバコに絡む症例が多数報告されたことを受け、CDCは消費者に対し、非正規の商品や成分が不明確なプロダクトの使用を避けるよう、呼びかけている。

編集=上田裕資

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