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2019.09.01

優れた交渉人が持つ3つの特性

Gettyimages

私は最近、過去に開催した交渉術ワークショップの参加者3人と再会する機会があり、それぞれのサクセスストーリーを聞かせてもらった。

データスペシャリストのフランクは、交渉により自分の役職を拡大させ、2桁の給与アップを実現した。

メディア業界で働くRIは、ある国際企業での仕事への応募中に、欲しい情報を企業側から引き出すのに苦労していたが、最終的には有利な条件で就職するために必要な詳細を得られた。

デジタル企業幹部のジョーは、大企業である自社が定めていた社内規定よりも多額の退職金を交渉によって引き出すことに成功した(しかも、彼はレイオフの対象ですらなかった)。

交渉術は重要なスキルであり、後からでも身につけることができる。しかし交渉を成功させるためには、スキルだけでなく個人的な資質も必要だ。以下に、前出の3人が自分のキャリアのための交渉を成功させる上で役に立った3つの性格的特徴を紹介する。

1. 方向転換をいとわない

昇格と昇給を得られたデータプロフェッショナルのフランクは当初、今の会社に留まるつもりはなく、FANG(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグル)企業の一つから得ていた別のオファーを受け入れようと決めていた。しかし彼はオープンな考え方を保ち、有名企業への転職が自分のキャリアにとって最善策だとは限らないとも考えていた。彼は当初、今の会社で行き着くところまで上り詰めたと考えていたものの、会社からの提案にも耳を傾け、転職を考え直した。

あなたは当初の思い込みに固執するのでなく、他のあらゆる選択肢を検討しているだろうか? フランクの事例は、自分の考えを変えても構わないということを示している。何事も大は小を兼ねるというわけではない。重要なのは自分の中での優先度だ。フランクの場合、現在勤める比較的小さな企業からの対案の方がより合理的であり、彼には方針転換できるだけの柔軟さがあった。

2. 助けを求めることをいとわない

メディア業界で働くRIは、最終的に自分の希望に沿った転職条件を通せたものの、当初は先方のオファーについての情報が乏しく、交渉すらできない状態だった。福利厚生と引越手当という自分にとって優先度の高い2つの事項についての情報が限られている中、先方の企業だけでなく、自分の味方であるべきアドバイザーからも早期の決断を迫られた。彼は業界での経験が豊富だったが、助けが必要だと感じていた。私自身は彼の分野に詳しくはなかったが、知り合いを通じ、助けになる人を彼に紹介した。

あなたは、自分に必要な支援を求めているだろうか? 交渉に必要なものの大部分は、正しい情報を持っているかどうかにかかっているため、他の人の助けが必要になる。一人きりで取り組む必要はないのだ。
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編集=遠藤宗生

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