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地方の現場から見た教育の今

DAJ / Getty Images

夏休みや冬休みに入る前、学校で行われる恒例行事と言えば、通知表の配布だ。

しかし、意外と知られていないが、学校が通知表を作成しなければならないという法的根拠はどこにもない。

文部科学省の「学習指導要領・指導要録・評価規準・通知表について」によると、通知表(通信簿)の「法的な性格と内容」は、「保護者に対して子どもの学習指導の状況を連絡し、家庭の理解や協力を求める目的で作成。法的な根拠はなし。」となっている。そして「作成主体」は、「作成、様式、内容等はすべて校長の裁量。」「自治体によっては校長会等で様式の参考例を作成している場合も。」とある。そして「文部科学省の関与」は「なし」と定められている。

これらを簡単にまとめると、通知表は「校長の裁量で作っている、保護者への学習状況連絡票」ということだ。

通知表はどうやって作成されているか

初めて担任をした新卒の頃から、学期末が近づくと、「通知表を書かなければ」という強迫観念にも似たプレッシャーがあった。

私の場合、夏休みに入る前に配る通知表づくりは、前月の6月ごろから始めていた。通知表に書く「担任の所見(子供たちの成長の様子に関する記述)」の下書き作業に入るためだ。私は1990年代後半からはデータベースソフト「Access」でパソコンに打ち込んでいた。これは、2学期・3学期のときに参照するためである。

6月中に下書きを終えると、それとともに教科の評価準備にも入る。私は中学校の理科担当だったが、数クラス、数百人分の評価をつけなければならない。

毎時間の授業の記録・実験観察のレポート・小テストなどExcelにためていたデータがあり、定期テストの結果も含めて観点別に評価して、最終的に評定となる。

7月に入ると、教科の評定を各学級担任に渡し、自分も残り8教科の評定をもらって成績一覧表を作成する。出席簿から出席状況もデータ化する。ちなみに出席簿は通知表と違い、公的な表簿である。(学校教育法施行規則第28条)

文=望月陽一郎

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