6curryはサブスクリプションモデルのカレーブランドで、2018年9月、恵比寿に1号店を出店したばかりだ。会員数は300人を超え、日々満席状態。2号店となる渋谷の店のオープンに際し、8月22日に会員募集のクラウドファンディングを実施したところ、5時間で目標金額を達成した。すでに200%を超える達成額となっている。
なぜここまで6curryは盛り上がるのか。それはカレーをただ提供するだけでなく、カレーを通じて「コミュニティ」を作っていることに秘密がある。
会員になれば、1日1杯のカレーを食べられるだけでなく、希望者は1日店長になって会員と自由に話したり、イベントを企画して開催したりもできる。外部の人は会員の招待がなければ入ることができないため、6curryのシステムやカルチャーを共有できる人が集まりやすくなっている。知らない人がいても、カレーという共通項ですぐに友達になれる工夫が施されている。
リアル店舗に限定して、エリアを絞っているのも特徴の一つだ。熱心な会員は京都在住の人もいる。
コミュニティという一つのトレンドに新しい風を吹きかける6curry。立ち上げ当初から携わり、6curryコミュニティクリエイターの肩書きを持つ、廣瀬 彩に成功の秘訣を聞いた。
新しい生き方を選んだ人が孤独にならないコミュニティ
━━なぜ今の時代、「つながり」や「コミュニティ」が大事なのでしょうか。
起業や複業など働き方が大きく変わり、家族のあり方も多様になっていく中で、新しい生き方を選んだ人が孤独にならないためにもコミュニティが必要だと思います。好きなことや得意なことをきっかけに仲間ができ、人生に前向きなきっかけが生まれる場でもあります。
スターバックスはコーヒーをきっかけに、家でもない職場でもない「サードプレイス」という場をつくりました。私たちが6curryでつくりたいのは、その次のかたちです。
━━6curryコミュニティのユニークなところはどこでしょうか。
会員さんが「つくる」側にまわって、一緒に6curryの空間をつくっていることだと思います。
6curryでは、会員さんであれば「1日店長」として、イベントを企画することができます。これまで、和歌山の梅干しメーカーさんとのコラボイベントや、ヘッドスパのスペシャリストとのコラボイベントなど、個性的なイベントを100回近く実施してきました。
それに合わせて様々なカレーを一緒に開発して、会員さんがそれを体験して、SNSなどでシェアして広がっていく……。そんな光景が当たり前に起きています。