エジンバラに本社を置くSkyroraは7月10日の声明で、全長2メートルのSkylark Nano IIロケットをスコットランド北部から打ち上げたと宣言した。今回の飛行テストで機体は約6キロの高さに到達し、速度は時速1800キロを超えた。
「当社は英国の主要打ち上げ企業になることを目指しており、今回の実験の成功により大きな一歩を踏み出した」とSkyroraのGordon McNeillは述べた。
公開された動画で、Skylark Nano IIロケットが発射から2秒後に音速を突破し、1分間以内に対流圏の上層部に到達したことが確認できた。機体が約5800メートルに達すると、ロケット部分は切り離され、地球に落下した。地上500メートルにまで落下するとパラシュートが開かれ、ロケットは着陸サイトから809メートルの位置に落下した。
Skyroraは昨年も同じ発射場から、約6キロの高度にロケットを打ち上げていた。Skyroraは2022年に、衛星軌道に到達するロケットの打ち上げを計画中だ。現状のNanoロケットは低い高度までしか到達できないが、間もなく発射するSkylark Microロケットでは約40キロの高度を目指している。その後のSky Highロケットでは約62キロ上空を目指し、最終的にSkyrora XLロケットで衛星軌道への到達を計画している。
同社が次回打ち上げるSkylark Microは全長4メートルの長さというが、現在はイギリスのCivil Aviation Authority(民間航空局)の許可を待っている段階で、打ち上げ期日は定まっていない。
Skyroraは今後、3回の打ち上げを英国から行う予定で、これらは英国から実施された商用ロケット打ち上げにおいて、過去最高の高度に達するものになるという。「当社のプロジェクトは1歩ずつ進み、打ち上げの度に精度を向上させることにより、リスクを最小限に引き下げていく」とMcNeilは述べた。
Skyroraは今後の数年で英国からロケット打ち上げを計画する数社のうちの1社で、競合にはOrbexらがいる。また、Virgin Orbitも英国から打ち上げを行う見通しだ。
英国のロケット企業らは比較的、小さなロケットを設計し、150キロ程度の重量の機材を宇宙に送り込もうとしている。小型衛星の打ち上げに特化したこれらの企業は、衛星を打ち上げたい企業に短い待ち時間でサービスを提供することを目指している。