今回は、そんな魅力たっぷりのフリウリ地方を紹介したい。
海も山も。ヴェネチアから近いロケーション
フリウリ地方までは、ヴェネチアから車で1時間半ほどで到着する。筆者は、飛行機でヴェネチアに入り、2泊してから、レンタカーで出かけた。
中心となる町は内陸にあるウーディネと海沿いにあるトリエステ。その周辺には、中世の面影を残す田舎の村がたくさんあるので、ドライブしながら気に入った村に立ち寄りたい。
ウーディネの程近く、ブドウ畑が広がる丘陵には、シャトー・ホテル「Castello di Buttrio」があり、フレンドリーなサービスとかわいらしい内装で心地よい滞在を楽しめる。レストランも併設されていて、夏は外のテラスでブドウ畑を見ながら食事が可能。イタリアの朝食は、チーズや生ハム、フルーツ、ケーキなどがふんだんに用意され、朝からボリュームたっぷりだ。
Castello di Buttrioのガーデンから望むブドウ畑
そして、地元出身の友人たちの案内で、ボートでアドリア海をクルーズしながら、トリエステに向かった。途中、ボートをとめて海で泳ぎ、到着後は、港近くの「Tavernetta al Molo」でランチをした。この店は、地元で獲れるタコのカルパッチョやシーフードのパスタが絶品だ。
ワイン・ツーリズムを楽しむ
フリウリ地方では、ワイナリー訪問も旅程に入れたい。この地方は白ワインの生産が大半を占めるが、そのフレッシュで爽やかな味わいは、この地方の春夏の気候やシーフード料理に特によく合う。白ブドウは、ソーヴィニョン・ブラン、シャルドネ、ピノ・グリージョなど国際的なブドウ品種をはじめ、フリウラーノ(Friulano)やリボッラ・ジャッラ(Ribolla Gialla)という土着のブドウなど、様々な品種が栽培されている。
筆者は、「Zorzetting」ワイナリーのフリウラーノを2006年ヴィンテージまでさかのぼって試飲したが、熟成期間を経て、アプリコットやドライフルーツ、スパイス、アーモンドなど、風味豊かで味わい深いワインに変化する様に感銘した。
赤ワインも、メルローやカベルネ・ソーヴィニョンに加えて、スキオッペッティーノ(Schioppettino)、レフォスコ(Refosco)といった土着ブドウから、スパイシーで個性あるワインが造られている。ぜひ、地元の肉料理と合わせたい。
ウーディネの近郊には、ワイナリーとホテルが併設された「ヴェニカ・ヴェニカ」(Venica&Venica)というワイン・リゾートがあり、見学や試飲ができる。ウェルカムドリンクも自社のワイン、プールサイドにもワインが用意されている。
このワイナリーでは、フリウリ地方の主要なブドウ品種から、良質なワインが造られている。なかでも、「コリオ」(Collio)のソーヴィニョン(Sauvignon)は、グレープフルーツや桃などの果実と、クリーミーな口当たりがバランスよく、単独でも、野菜やシーフード料理とあわせても楽しめるワインだ。
「ヴェニカ・ヴェニカ」のワイン