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2019.08.06 12:00

今年の猛暑は「観測史上最高」、欧州予報センターが認定

猛暑のパリ Gettyimages

猛暑のパリ Gettyimages

7月は北半球において毎年、最も気温が高くなる月だが、今年はとりわけ暑さが厳しく、欧州の様々な国で空前の猛暑となった。欧州中期予報センター(ECMWF)が各都市の気象データを集計した結果、2019年7月は観測史上最も気温の高い月だったことが判明した。

ECMWFは欧州のコペルニクス気候変動サービスのデータを用いており、今年の7月の記録はこれまの最高の2016年7月を0.04度上回った。今年7月の平均気温は1981年〜2010年の平均よりも0.56度高く、産業革命以前よりも1.2度高い水準だった。

2016年に発効したパリ協定では、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて1.5度以内にする目標が設定された。直近のデータが産業革命以前よりも1.2度高い水準になったことで、この目標の達成が脅かされている。

2016年7月の熱波はエルニーニョ現象と強い相関関係にあったのに対し、今年の熱波とエルニーニョとの関連性はさほど大きくはないという。今年7月のエルニーニョのパワーは、例年よりも控え目なものだった。つまり、熱波の原因としては他の要因が考えられるのだ。

今年は欧州で記録的猛暑となったのに加え、米国で最も寒い街とされるアラスカ州のアンカレッジで、史上最高気温の32度を記録した。また、アラスカ州の西のチュクチ海では、海氷が記録的に少ない状態になった。熱波が襲来した北極圏のグリーンランドでは、わずか1日で20億トン以上の氷が解け、山火事も発生した。

アメリカ海洋大気庁(NOAA)やNASAも今後、独自に集計したデータを開示する予定だが、今回のデータと同様な事実が示されることはほぼ確実だ。

編集=上田裕資

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