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2019.08.06 06:30

米国で2桁成長の植物由来食品 売れる理由は「陳列場所」にあった


ここでも、小売業者がトレンドを後押ししている。消費者が牛乳から作った従来のチーズを求めていた場所に、植物由来のチーズを並べるようにしたからだ。

「こうして、ビーガンやベジタリアンでない他の90%の消費者に植物由来食品を試してもらうことができる。『ビーガン』や『ベジタリアン』と呼ばれる商品群の中にこうした商品が並んでいると、90%の人に『この商品は自分のためのものではない』と思わせてしまう。そうではなく従来の商品と統合すれば消費者は『これが新たな商品だ。試してみよう』と思うようになる」(ブッシュネル)

過去2年間で大きな成長を遂げたカテゴリーは全て植物由来の乳製品・卵代替商品だ。トップの乳製品不使用クリームの売り上げは、2017年から今年までで192.7%成長している。また、乳製品を使用しないアイスクリームやヨーグルト、ディップの代替商品も、3桁台の成長を記録した。

ブッシュネルによると、こうした商品では動物由来のものがまだ支配的だが、成長のペースははるかに遅く、動物性ミルクやヨーグルトなど一部のカテゴリーは昨年減少さえした。

スーパーのどこで、どのように植物由来の食品を販売するかは、ニューヨーク市で6月に開催された初めてのプラントベースド世界会議・博覧会で熱心に議論された。肉や乳製品を全てやめるつもりはないが、一部の食事で植物由来の食品を使うことを考えている人は増えていて、植物由来食品の製造企業や小売業者、業界専門家らはこうした人たちとつながりを築く最適な方法を探った。

スピンズの報告書から得られる情報の一つが、このトレンドを何よりもよく示しているかもしれない。植物由来の肉・乳製品代替商品の売り上げが伸びる中、より従来型のビーガン・ベジタリアンのタンパク源と考えられている豆腐やテンペの売り上げが鈍っている。このカテゴリーは、対前年で4.9%しか成長しておらず、過去2年間の成長率はわずか17.2%だ。

一部の店舗は乳製品セクションを通り越し、ビヨンド・バーガーやその他の植物由来の肉代替製品など新たな商品を肉の販売ケースに並べている。

ブッシュネルによるとGFIは将来、主菜になるようなタンパク質が全て一つの場所にそろうようになり、買い物客は動物・植物由来の食品どちらも楽に手に入れられるようになると考えている。

その時代はすぐに訪れるかもしれない。ビヨンド・バーガーやインポッシブル・バーガーの成功により、他のブランドでも植物由来の肉代替製品の開発が増え、新たな商品が出るたびに実際の肉に近づいている。

「植物由来肉の分野では、今後1年間で本当に顕著な成長が予想できる」とブッシュネル。「今年だけでも新たに発売されるバーガーは5つ。転換点に来ている感じがある」

翻訳・編集=出田静

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