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2019.07.21

画期的エンジン搭載の新マツダ3 ドイツ車と肩を並べるレベルに

新マツダ3


ステアリングは相変わらずピンポイントに決まるし、重さも手応えもちょうど良い。マツダの前輪駆動車はアンダーステアが出ないところが、運転好きに好かれる。また、シャシー剛性とサスペンションも的確に設定されているので、ボディロールは少なくて、ターンインした途端、クルマが素早く反応するし、急に方向を変えてもリアもピタっと付いてくる。

今回の主な特徴は当然このエンジンではあるけど、忘れてはならないのは、デザインと代表的なボディカラーだ。僕は何回も言っているけど、マツダは日本の自動車業界のデザインをリードしていると思う。今回のマツダ3の5ドア・ハッチバックはこのセグメントで最も美しく、セダンもコンパクトカーの中で最もプロポーションが綺麗なセダンだと思う。

また、マツダは7年以上前からソウルレッド色を代表的なボディカラーにしている。その色は時間が経つにつれて、だんだんと濃くなり、業界でますます話題になっていく。もうそろそろその赤を辞めても……という声もあるけど、僕はどんどん深みが出るように開発してほしい。



シートは、車のシートだと忘れてしまうほど、座り心地やサポート性が良い。今回のシートはマツダが凝って作ったもので、骨盤をちゃんと支えて姿勢が良くなるように的確にデザインされている。長時間乗っていても、うまい具合にシートが骨盤あたりを押し込んでくれるので、不思議なほど腰が疲れない。ハッチバックの後部席は、座り心地は良いものの、デザイン重視でCピラーが太いので、少し圧迫感を感じた。

スカイアクティブX搭載モデルの価格は314万円から。4WD付きの362万円なので、他の200万円代のスカイアクティブGとスカイアクティブDと比べて、少しプレミアムが付いている感じだ。これは決して安くはないものの、例えばメルセデス・ベンツAクラスや、VWゴルフと比べた場合、安く感じる。



「えっ、輸入車に比較するの?」と目を疑う人もいるかもしれないけど、今回は間違いなく比較できる。マツダ3のデザインはもちろん、インテリアの質感、走りの楽しさ、オーディオの良さ、安全性、環境性など、プレミアムブランドに仲間入りしたと言っても過言ではないだろう。

マツダは、そこまで来た!

連載:国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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