アルノーの保有資産は7月18日正午の時点で1032億ドル(約11兆円)に達した。今年3月にフォーブスが発表した2019年版の「世界長者番付」でアルノーの資産額は760億ドルとされていたが、その後約4カ月で彼の資産は約270億ドルの上昇となった。
当時、アルノーは世界4位の富豪だったが、6月に彼の資産は1000億ドルまで膨らみ、世界3位に浮上していた。背景にはLVMHの株価の急上昇があった。
7月18日時点で、アルノーの保有資産はビル・ゲイツ(1029億ドル)を3億ドル上回った。ゲイツが世界3位にまで後退するのは2008年以来で初めてのことだ。マイクロソフトの株価も上昇しているが、LVMHほどの勢いではない。1位には依然としてアマゾンのジェフ・ベゾス(1240億ドル)が留まった。
フォーブスが年に1度公開する「世界長者番付」では2001年以来、わずか5人のビリオネアらが、1位と2位の地位を独占してきた。ベゾス、ゲイツ、ウォーレン・バフェット、Zaraのアマンシオ・オルテガ、メキシコの通信業界のビリオネアのカルロス・スリム・エルーらだ。
アルノーの保有資産の上昇の背景には、世界の富裕層のラグジュアリー製品の購入意欲の高まりがある。LVMHの今年第1四半期の売上は、前年同期比16%増の141億ドルに伸びていた。
しかし、アルノーは現状に満足しておらず、先日はステラ マッカートニーと新たな提携を結んだばかりだ。今回のパートナーシップにより、LVMHのサステナビリティに向けた動きが活性化することになる。マッカートニーはサステナブルでエシカルな、ラグジュアリーブランドを目指しており、この分野でLVMHのアドバイザリー役を務めることになる。
LVMHはシンガーのリアーナが展開するブランド「フェンティ」とも提携を結んでおり、ラグジュアリーホテルを傘下に持つ「ベルモンド」との買収交渉でも合意に達していた。