組織が大きくなればなるほど出席者も多く、他部署のことなどは“他人事”のようになり、退屈してしまうパターンも少なくないでしょう。そのために多くの人が、「会議のほとんどは無駄だ」と感じているのかもしれません。
そんな状況もあってか、先日、アメリカで優秀なスタートアップ起業を多数輩出しているYコンビネーターとパートナー契約中のジャスティン・カーンが、「会議文化を圧倒的に良くするたった5分間の仕掛け」をツイートしたところ、非常に大きな反響を呼んでいました。
彼が提案するのが、「会議の最後の5分に、参加者全員が、Google Docsに(1)名前、(2)会議で好きだったこと、(3)どうなるといいか、を書いてみんなで見て終わりましょう」ということ。その状態で会議を終ると、全員が思考停止することなく会議に挑むため、非常に有意義な時間にすることができるというのです
会議を自分事化するテクニック
確かにこの方法はとても有効なのですが、僕は以前からこの方法に、さらにもうひとつ「自分がギブできること」を追加して会議に挑んでいます。というのも、「好きだったこと」や「どうなるといいか」の提案に、さらに「自分だったら…」という“当事者意識”の高い視点を加えて話を聞くことで、発表者のことがより自分事になるからです。
やがて、発表者すべての話を自分事として聞けるようになっていくと、それだけの視点を、自分の中にストックできるようになります。つまり、会議を「自分の成長の場に変える」ことができるのです。
ちなみに、レポートや進捗報告など、情報を共有するタイプの会議の場合は、会議後にメモや議事録をまとめるではなく、発表者ごとに行っていくことをおすすめします。
そもそもGoogle Docsのいいところは、リアルタイムで記入できることです。誰かが発表してる最中に、すぐに「よかったこと」などを記入できます。すると、発表者は自分の発表後すぐにフィードバックを読むことができるので、誰かのギブに対して「会議後で5分ください」と声をかけたり、改善の宣言などをしたりでき、より熱量を上げていくきっかけにもなります。
事業長会議など横つながりが薄いメンバーの会議でも、この方法を続けることでお互いにオープンになり、事業同士が有機的につながる組織へとアップデートしていくこともできるでしょう。
「Just my 2cents」の気軽さで
「自分がギブできることを書こう」というと、ついプレッシャーに感じて何も書けなくなる人もいるかもしれません。しかし、ギブについて堅苦しく考える必要はありません。例えばアメリカでは、こういう時は「Just my 2cents」などと前置きしたりします。つまり、「まあ、たった2セントくらいの価値くらいのことなんだけどね。僕なら、これくらいのことができるかな」という、気軽なギブでいいのです。
このように、毎回の会議で全員がアウトプットを習慣化できるようになると、やがて大きなうねりを生み出していくでしょう。少なくとも、参加者が思考停止したままやりすごしたり、退屈な時間を消費したりするような会議文化はなくなっていくのではないでしょうか。
連載:働き方革命最前線
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