企業が社員にフリーランスを推奨すべき理由

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従来の職場環境では、従業員の副業が推奨されていなかったどころか、多くの場合は明確に禁じられていた。副業は「敵を支援する」行為とみなされていたのだ。さらにかつてあった(そして今でもある程度存在する)懸念として、企業の専有情報が漏洩する恐れがある。

ギグエコノミーと業務委託が一般的になりつつある今、ギグワーカーを雇うことによる利点を認識するだけでなく、自社の社員にもフリーランスで働くことを許す企業が増えている。以下に、そうしたパラダイムシフトが企業にとって得策である理由を挙げたい。

1. フリーランスは自己開発を促す環境を作る

一般的に、従来型の従業員育成は2つのやり方があった。ひとつは学校へ通わせるもので、多くの場合は企業が授業料を補助し、IMC(統合型マーケティングコミュニケーション)のオンライン講座を受けさせたり、さらには修士号などの資格を取得させたりする。もうひとつは、従業員に自己開発研修の機会を提供(義務化する企業も多い)やり方だ。研修は社内で実施するほか、外部コンサルタントに依頼する場合もある。

どちらのやり方にも確かにメリットはある。しかし、これらは常に従業員自身による自発的なものであるわけではない。また、トレーニングを受けてから時間がたつにつれ、学んだことを忘れがちになる。その上、トレーニングの中には実践より理論を重視したものも多い。

一方、従業員のフリーランスを許すことで、以下のようなメリットがある。

・従業員が自らリサーチをし、その結果から学ぶ
・会社が活用できるような新しい問題解決方法を従業員が修得または開発する
・タイトなスケジュールの中で質の高い成果を上げる練習になる
・トレーニングを通じて修得した理論的なコンセプトを、実践に活用できる

2. 新しい働き方を尊重することで、忠誠心を養う

既に社会人となっているか、間もなく働き始めるミレニアル世代やジェネレーションZは、働き方についてかなり異なった考え方を持っている。9時〜5時まで職場にいることを求められる従来型の雇用形態を嫌い、与えられた仕事を最も効率の良い方法や時間、場所でこなしたいと考え、仕事にかけた時間ではなく成果に対する評価を求めているのだ。

そして何よりも柔軟性を重視している。それには、雇われている企業での仕事とは関係のない副業も含まれる。

企業側が必要とする優秀な人材を引き付け、会社にとどめておきたいのなら、こうした新社会人が求める柔軟性を実現する必要がある。忠誠心についての古い“ルール”はもはや通用せず、優秀な人材は今より自由のある環境があれば、すぐに仕事を変えるだろう。
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編集=遠藤宗生

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