しかし、「学校からのネットワーク回線が細い」ため、オンライン調査は現実的ではないとされ、端末ごとに記録したものを教員がUSBメモリを用い回収するという対応になったという。
その後、2018年10月に端末のOS(Windows限定)などの指定が示されたところ現場から異論があり、「悉皆(全校)ではなく、自治体の判断により実施しないことができる」(2018年11月)となった。
さらには調査直前に学校へ端末の再チェックの指示がでたり(正常に動作しない可能性があるとのことで)、当日隣の席の子供の回答する声がヘッドセット越しに聞こえてしまったりと、他の問題も明らかになったのである。
もともとは、たった40台のコンピュータがうまく接続できるネットワーク環境すら確保されていないところから始まっているのだ。
学校は家庭のインターネット接続環境とつくりが違う。まず、つなげなければならない台数が大きく違う。また個人情報も扱っているためセキュリティを高めないといけない。不適切な情報に子供たちがアクセスしないようにフィルター(サイト制限)しないといけない。無線LANが条例で禁止されている自治体もあるという。
これらをクリアした上で、これから増設される端末を、さらに将来的には子供たちの数と同じだけの端末をスムーズにインターネットに接続しなければならないのだから、現状の学校のインターネット環境では無理なのである。
「端末の数(1人1台)を増やせ」と言うだけでなく、それを支えるネット環境に予算を投じないと、使えない、使わない端末ばかりが残る。そんな学校にはなってほしくない。
連載:地方の現場から見た教育の今
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