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地方の現場から見た教育の今

Noel Hendrickson / Getty Images

小学校や中学校において、「児童生徒1人に1台、端末やタブレットを授業で使えるように整備するべきだ」という話が出て久しい。ところが、現状を見ると先進的な私立学校などをのぞいて、公立学校のほとんどでは、学校に一つの教室「コンピュータ室」に40台くらいの端末があるのが実情だ。

これまでも校内ネットワークの整備や機器の整備などに多額の予算が下りている。教育再生実行会議の資料では、学校のICT環境整備に単年度で1805億円だ。これは自治体が用途を決められる地方交付税交付金の中に含まれている。

国は整備予算を確保してこれまでも毎年自治体に送っていたが、地域(自治体)では他の用途に使われて学校の機器は後回しになっていたと思われる。その結果、地域によって公立学校のICT機器の整備状況に格差を生んでいると考えられるのだ。

ようやく2018年になって、文部科学省からもある程度強制力がある通知がされて、自治体に対して児童生徒たちの端末などICT機器を整備推進するような状況を作りつつある。

しかし、通知されたのは「3クラスに1クラス分程度端末を整備」すること、だ。これまで学校に1教室しかコンピュータ室がなかった頃よりはましではあるが、1日1コマ分程度、児童生徒が交代で使う。30クラスの学校では、10×40=400台の端末という計算になる。6クラスの小規模校では2×40=80台の端末。

しかし、ここで新たな問題が発生すると考えられる。これまでコンピュータ室にしかなかった端末が大量に整備されると、インターネットにつながらない可能性が高いのだ。

これまでの学校からインターネットへの接続は、40台のコンピュータ室端末が接続するくらいの想定でしか作っていない。

この事態は、毎年行われる「全国学力学習状況調査」で浮き彫りになった。2019年4月に新しく行われたのは、外国語(英語)の「話すこと」に関する調査(テスト)だ。

パソコンの画面に示される問題に対して、子供が回答した声を記録して採点するのだが、当初はクラウドシステムに接続してデータを記録する形だったようだ。それは、2018年6月に文部科学省に報告された、受託メーカーからの報告書にも書かれている。

文=望月陽一郎

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