I focus on the expanding arena of automotive technology.

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自動運転分野ではLiDARや高精度な地図を用いて、運転の自動化を行う企業が大半だが、英国の小さなスタートアップ企業が、カメラと基本的なGPSナビゲーションだけで自律走行が可能なシステムを構築した。

ケンブリッジ本拠のAI企業「Wayve」はコンピュータービジョンを用い、人間の運転を模倣させることで、運転の仕方をAIに強化学習させた。同社のシステムの学習に用いたのは、カメラとセンサーのみという。

Wayveの強化学習モデルは、データや過去の経験を活用して、人間が運転を学ぶように、機械が運転の仕方を覚えていく。他の自動運転車と大きく異なるのは、エンジニアが与えたデータに頼るのではなく、車が独自にルールを学んでいく点だ。Wayveの車両は、運転席に座る人間のハンドルやブレーキ操作を学習し、それを模倣する。

Wayveはこの学習モデルを「エンドツーエンド型のディープラーニング」と定義し、この手法で自動運転の活用場面を拡大できると考えている。同社のアプローチであれば、高価なLiDARや高精度な地図は必要がない。その代わりにWayveは、複数のレイヤーにまたがるニューラルネットワークやコンピュータビジョンを用い、周囲のオブジェクトの動きを予測する。

このアルゴリズムにより、Wayveの車両は雨や雪の条件下であっても、過去の経験を用いて環境に対応した自動運転が可能だ。同社は先日、わずか20時間のトレーニングだけで、自動運転車が雨天の屋外を自転車を避けながらスムーズに走行する動画を公開した。

同社のテクノロジーは既に十分な完成度にも見えるが、今後は公道上のテストを重ね、安全性を確認することが必要になる。しかし、Wayveは大胆にも、現時点で既に「100都市に自動運転車両を投入する」とブログで宣言した。

Wayveの共同創業者のAlex Kendallは競合のウェイモについてこう述べている。「ウェイモの車両が走行できるのは、整備されたジオフェンスの内側だけだ。このようなタイプの自動運転が、果たしてスケールできるかは疑問だ。おそらく不可能だと思う」

Kendallはツイッターで「この領域の課題を深く知れば知るほど、従来のモデルではスケーラブルな自動運転が実現できないことが分かった。エンドツーエンド型のディープラーニングこそが、自動運転の未来を作る」と述べている。

Kendallと同様なアイデアを持つ人物は他にもいる。グーグルから自動運転技術を盗んだとして提訴された、アンソニー・レバンドフスキーだ。彼は自動運転トラック企業「Otto」で、Wayveと類似したアルゴリズムを実用化しようとしている。

テッククランチの記事によると、WayveはウーバーのチーフサイエンティストのZoubin Ghahramaniから出資を受けている。

編集=上田裕資

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