多様性におけるネットフリックスの努力は、コンテンツに限った話ではない。テクノロジーを活用して、コンテンツの届け方にも“多様性”を取り入れている。
例えば、作品のサムネイル。ひとつの作品に対し、多い時は20種類あり、表示されるものは人それぞれ異なる。また、タイトルも各国の文化的背景なども踏まえ、ローカライズされている。こうしたパーソナライズ、ローカライズの取り組みは、どうやって実現されているのか。
2019年3月18日、19日の2日間にわたってロサンゼルスオフィスで開催されたネットフリックスのプレスツアー「Netflix Labs Day 2019」。その中の“Unlocking Local Stories”と題したセッションの模様をお届けする。
多様性のあるチームで、多様性を促進
「コンテンツの内容を正確に表現することで、各地域のコンテンツと世界中のメンバーをつなげる。それが私たち、グローバリゼーションチームの使命です」
セッションの冒頭、こう語り出したのはグローバリゼーションチームでディレクターを務めるキャシー・ロクニ。彼女のチームは世界190カ国で利用する、多様性に富んだメンバーが現地の言葉でコンテンツを視聴できるよう、グローバリゼーションを推し進めている。例えば、タイトルをその国にあった表現にローカライズしたり、吹き替えを多言語化したりといったことがまさにそうだ。
2012年に公開された、初のオリジナル作品「リリハマー」では7言語の吹き替えにしか対応していなかったが、6年後の2018年に公開されたオリジナル映画「クリスマス・クロニクル」は24言語で吹き替えに対応している。そして今後、27言語への対応を目指していくという。
「多様性に富んだ世界各国のメンバーに快適な視聴体験を提供するため、私たちのチームも多様で、メンバーの半数が2カ国語以上話せますし。合計すると36カ国の言語を話せますし、過去に67カ国で生活を経験したことになります」(キャシー)
グローバリゼーションチーム ディレクターのキャシー・ロクニ
他のセッションでCPO(プロダクト最高責任者)のグレッグ・ピーターズが「ネットフリックスに契約している1億3900万人の有料メンバーの大多数は米国以外の人たちで、今後、その比率はますます上がっていく」と語っていたように、ひとつの作品をどれだけローカライズさせられるかどうかはメンバーの満足度を高めるため重要な要素となる。