NY在住の製作者が見る「エンタメ・アート・カルチャー」

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙が選ぶ「21世紀のベストフィルム25本」に、ジブリの『千と千尋の神かくし』が選ばれた。また近年、ハローキティやガンダム、ポケモンなどのハリウッド映画化が発表されるなど、日本の作品がメインストリームでグローバル化している。

とはいえ、エンタメコンテンツのグローバル展開といえば、やはりその王者はディズニーだろう。

このコラムでは、ニューヨーク在住の舞台製作者の目線で、エンタメ・アート・カルチャーの世界で活躍する刺激的な人や作品を紹介していく。今回は、映画『アナと雪の女王』をミュージカルにしたディズニー・シアトリカルの国際部シニア・ヴァイス・プレジデント、ロン・コーレン氏に話を聞いた。

コーレン氏は、ディズニー本社で東京ディズニーランドやディズニーランド・パリの立ち上げに携わったのち、ニューヨークのブロードウェイにあるディズニー・シアトリカルに参画。ミュージカル『美女と野獣』の開幕と同じ1994年に創設された国際部でグローバル展開を推進してきた立役者だ。

ミュージカルの国際展開、3パターン

現在、ディズニーは9カ国で21の作品を展開しているが、全体の収益構造は、55%がアメリカ国内、45%が海外と海外の比重が高い。また、現在ブロードウェイで上演されている『ライオンキング』『アラジン』『アナと雪の女王』は 25%〜30%が海外からの観光客。2017-2018年のブロードウェイ全体に占める海外観光客が約15%というデータに比べても高いことがわかる。



ところで、そもそもミュージカルの国際展開スキームとはどんなものか。

一般的に多いのは、NYのブロードウェイ、またはロンドンのウェストエンドから始まり、米国ツアー、英国ツアーを経て海外へ展開する流れだ。この海外展開は、大きく分けて「レプリカ」「ノンレプリカ」「ツアー」の3パターンがある。

演出プランや衣装などを含めたパッケージとして、現地のプロデューサーにライセンスするのが「レプリカ」で、現地でキャストを採用し、現地の言語で上演される。一方「ノンレプリカ」は、脚本や音楽のみをライセンスする形式。同じく現地のスタッフと言語で上演されるが、ブロードウェイとはセットも衣装も異なり、ライセンス料金は安めとなる。

そして、本場ブロードウェイのプロデューサーが作品を立ち上げ、海外のプロモーターが興行主もしくは共催となって世界を回るのが「ツアー」だ。これは字幕付きの英語で上演される。

ディズニーの作品はほとんどが「レプリカ」形式で展開されており、日本は、ディズニーが英語圏外に初めてミュージカルを輸出した国だ。代表作『ライオンキング』は、1998年から劇団四季により上演され、昨年20周年を迎えている。

文=Ikumi

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