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2019.04.02

嫌われずに「ノー」と言う4つのコツ

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もっと「ノー」と言えるようにならなければだめだ、という助言を上司や家族、同僚から受けたことがある人は多いだろう。大学教授であろうと、アシスタントブランドマネジャーや企業役員であろうと、自分の時間でできることよりも多くの要求を抱えてしまうことは多い。

『Who’s in Your Room? The Secret to Creating Your Best Life(あなたの部屋にいるのは誰? 最高の人生を作る秘密)』の著者アイバン・マイズナーは私に、独創的かつ丁寧に依頼を断るためにできる4つの実用的なコツを教えてくれた。

筆者:私たちはなぜ依頼を断りづらいと感じるのでしょうか?

マイズナー:理由は2つある。1つ目は、人はできる限り「イエス」と答えたいと思っていること。誰かに「ノー」と言うのは心地良いものではなく、相手が友人であればなおさらだ。多くの人は断ることに罪悪感を持っており、これが難しい理由もここにある。

しかし、線引きをすることが重要だ。線を引かなければ、やることが多すぎる一方でそれらをきちんとこなす時間がないという、本来なら望まない状況に陥り、罪悪感といら立ちの間で揺れ動くことになってしまう。

2つ目の理由は、断る方法が分からないこと。断りたくても、どのようにすればよいか、どうすれば後ろめたさを感じずに断れるかが分からない。

筆者:それはなぜでしょう?

マイズナー:断る方法を教わったことがないから。私たちは子どものとき、「ノー」と言うことは良くないと思い込まされてきた。しかし私たちはもう大人だ。断ることに問題はない。正しい断り方を学ばなければならないだけ。

筆者:どのようにすれば丁寧に断れるのでしょう?

マイズナー:嫌な人だと思われることなく依頼を断るためのコツは4つある。

1. 「引き受ければがっかりさせてしまうかも」と言う

相手に「ノー」と伝える効果的な方法は、相手の頼みを聞き入れれば相手を落胆させてしまうだろうと伝えることだ。その理由は、頼まれごとを遂行する余裕や知識、専門性がないなどがあり得るが、どんな理由にせよ、「自分は頼まれごとをうまく実行できないので、あなたをがっかりさせたくない」と伝える。この答えを使えば、依頼をうまく断れるだけでなく、自分はきちんとした労働倫理を持っており、相手とプロジェクトの成功を望んでいることを示せる。

2. 適任者を紹介する

私は誰かの頼みを断るとき、自分よりもその役目にふさわしい人や、頼まれたプロジェクトにより合致した理念を持つ人を紹介するようにしている。自分がたとえ頼まれたことを遂行できたとしても、専門分野でないのであれば必ずしも自分がする必要はない。

3. 「それはしないようにしています」と言う

とてもシンプルな回答で事足りる場合もある。私は、誰かからケーキかパイを食べるよう勧められたとしたら、「ありがとうございます。でも私、砂糖入りの食べ物は食べないようにしているんです」と言う。「一口だけ」と言われてもきっぱりと、砂糖は食べないのでどうぞ私の分まで遠慮せず食べてほしい、と言っている。

4. 率直に話す

米国の昔のテレビドラマ「となりのサインフェルド」でよくあるおかしな展開の一つに、登場人物が初めから正直になればよかったものの、行き過ぎた複雑な口実や策略に打って出たことにより、最終的に多くのトラブルを抱えてしまう、というものがある。これは避けよう。相手には礼儀正しく接しつつも、正直かつ率直に断ることが大事だ。

編集=遠藤宗生

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