World Restaurant Awards審査員

ジュリアンシェフ(C)Asia’s 50 Best Restaurants

3月26日、マカオの総合リゾートホテル「ウィンパレス」で、アジアのベストレストランの授賞式が行われた。

ここまで4年連続、バンコクのモダンインド料理「ガガン」が1位の座に君臨していたが、今年、昨年5位だったシンガポールのモダンフレンチレストラン、「オデット」がその連覇を止めた。

オデットは、2017年に初のランクインでいきなり9位となり、「ハイエスト・クライマー賞」を受賞。翌2018年には5位、そして今年は1位と右肩あがりに順位を上げた。とはいえ、同店のフランス人シェフ、ジュリアン・ロワイエは、突然現れた新星ではなく、元々シェフとして働いていた「ジャーン」では2015年に11位を獲得するなど、安定した実力を持つ。

「軽やかでフェミニンなフランス料理が自分のスタイル。長年アジアに住んでいる中で、野菜、スパイス、柑橘類などを中心に、東南アジアの味わいは自然に取り入れている。バランスを取ることは難しいが、フランス料理のDNAを保ちながらも、アジアの味わいを少しずつ吸収してきたし、これからもそうしていく」とロワイエは語る。



2位は、バンコクの「ガガン」。日本勢で最高位にランクインしたのは3位の日本料理「傳」で、シェフの投票で選ばれる「シェフズチョイスアワード」も同時受賞となった。

長谷川在佑シェフは、「同じ仕事をしているシェフたちに選んでもらったというのは特別な気持ち。これまでで一番憧れていた賞、アジアNo.1になるよりも嬉しいかもしれない」と喜びのコメント。世界各地で行う多くのコラボレーションについては、「お互いの店に招いたり、一緒にその国の食事をしたり。そういったコミュニケーションの中で、今後も食文化や食材を紹介しあい、高め合う関係を築いて行ける」と語った。


長谷川シェフ(C)Asia’s 50 Best Restaurants

長年の功績に対する功労賞とも言える「アメリカン・エクスプレス・アイコン・アワード」には、日本料理「龍吟」の山本征治シェフが入賞した。

今回は、龍吟育ちのシェフも多くランクインしており、授賞式では、今回初登場ながら23位に入賞した、東京の中国料理「茶禅華(さぜんか)」の川田智也シェフ、台湾食材で日本料理を作る「祥雲龍吟」の稗田良平シェフ(31位)、香港のモダンフランス料理「Ta Vie」の佐藤秀明シェフ(50位)、東京のイタリアン「イル・リストランテ・ルカ・ファンティン」のルカ・ファンティンシェフ(18位)らが壇上にあがり、「龍吟」と書かれた幕を掲げて師の受賞を祝った。

川田シェフは「素材の状態を見て理解をするということ」、稗田シェフは「常により良いものを追求する姿勢」、佐藤シェフは「高いスタンダード」を、それぞれ学んだという。


受賞した日本勢

日本からは総勢12店がランクイン。ニューカマーとしては、故・ジョエル・ロブション氏の愛弟子として知られる須賀洋介シェフが率いる、フレンチジャパニーズレストラン「スガラボ」が47位にランクインした。

この結果について、日本評議委員長の中村孝則氏は、「今回、2店の新店を含め、日本としては過去最多の12店が受賞したのは大変喜ばしいこと。1位から50位まで、どこも僅差で順位が詰まっているなと実感しました。去年と比べ、全体の5分の1にあたる、10店が入れ替わるという大きな動きがあった中、日本勢は素晴らしい結果を出したと思います」と語った。

文=仲山 今日子

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